どうも、たかしです。
小屋暮らし予定地に付随してきた空き家の整備を進めていくシリーズ、今回はその第12回になります。
これまで「納戸」「寝室」「キッチン」「風呂場」と空き家内に放置されていた荷物の片づけを進めてきました。
その中でも最も大変だった「納戸」ですが、片づけを進めていくとその中から長年使われてきていたであろうベッドが出てきました。
ベッドを片付けるのは流石に大変なので、こちらを片付けるのは後回しにしていました。
ですが前回「座椅子・布団」の解体処理を進めて行った記事の際ににこちらの布団もとうとう解体・処分しました。するとその下からは、かなり立派なソファベッドが出てきたのです。
さて、このソファベッド、どうしようか迷ったのですが……
●案①粗大ゴミにする
一番の正攻法ですが、問題は処分費用です。前回の記事でも参考にした大阪市の粗大ゴミ処理手数料表によると、二人がけ以上のソファの処理手数料は何と1000円!!
自治体にもよるとは思いますが、どこでもそこまで大差ない額の処理手数料がかかってくるはずです。実際、僕の住む自治体の処理費用は更に高額でした。
ならば自分でソファを持ち込んで処理してもらう方法もありますが、それでも重さ換算での手数料がかかる場合がほとんどですし、そもそもこのソファベッドを車で運搬するのも決して簡単ではありません。
●案②リサイクルショップ
これまで散々お世話になってきたリサイクルショップに持ち込む方法ですが、こちらもやはり厳しいです。
なぜかというと、リサイクルショップでは大きすぎる家具については持ち込みでの買取をしていないことがほとんどだからです。
「出張買取」ならば大型家具でも査定してもらえる場合があるようですが、空き家の住所は何ぶん辺鄙な土地ですし恐らく対応していていないものと思われます。
だからといって、今僕が住んでいる部屋までこのソファを持ち込んで、それで買い取り不可にでもなったら苦労があまりに報われませんしそんなリスクをとるほどの値打ちが付くとも思えません。
●案③自分で使う
ならば、自分で使うもしくはお客さん用にするという選択肢もあります。
ですが、こんな廃墟同然の空き家にあったような、ゴキブリの卵鞘やら蛾の繭やらがこびりついていたようなソファベッドで寝たい人が果たしているでしょうか? 少なくとも僕は嫌です。
ということでこの選択肢も不可。
ならばもう、解体して処分するほかありません。
という訳で、今回の記事ではこのソファベッドを解体して、燃えるゴミ袋にいれて処分できるようにするまでの方法と、その様子をお伝えしていきます。
思った以上に大変な作業でした……正直、先に言ってしまうと、ソファベッドの解体処分を自分でやるのはお勧めしません。素直に1000円払う方がコスパが良いと思えるぐらいには地獄でした。
それではやっていきましょう。
シリーズ記事
【土地整備】空き家の整備 ①:納戸の片づけBefore・After
【土地整備】空き家の整備 ②:納戸を片付けて出てきた物を売ってみたら○○円になった
【土地整備】空き家の整備 ③:寝室の片づけBefore・After
【土地整備】空き家の整備 ④:空き家から出てきた衣服を売ったら○○円になった
【土地整備・検証】空き家の整備 ⑤:寝室から出てきた雑貨を売ったら○○円になった
【土地整備・検証】空き家の整備 ⑦:オフハウスの店舗間の格差がとんでもなかった話
【土地整備・検証】空き家の整備 ⑧:キッチン(後半)+風呂場の片づけ+とんでもない事態発生
【土地整備・検証】空き家の整備 ⑨:オフハウスの店員間の格差がとんでもなかった話
【土地整備・検証】空き家の整備 ⑩:空き家の使えそうな家具を売ったら○○円になった
①ソファを分解する
最終的には、「ソファをノコギリで切り出して、燃えるゴミ袋に入れられるサイズにまでばらばらにする」ところまでがゴール地点になる訳なのですが、いきなりソファにノコギリを立ててバラバラにするのは現実的ではありません。
用意したこちらのノコギリ「ゼットソー硬木250」は、非常に頑丈で硬い木材でも切り出せる作りにはなっていますが、ソファーにはその周りを覆う布地やその中のスポンジ、さらにはリクライニング機能に用いられている金具なども含まれています。
それらまでをもまとめて切り出すことは流石にできませんし、そんなことをしたら一瞬で刃が悪くなってしまいます。
そのためまずは、ソファーを解体することで中のフレーム木材を露出させ、ノコギリで切り出すことができるところまで進める必要があるのです。
1.外側の記事と中のスポンジを取り除く
まずはソファーの背もたれ部分からハサミを入れていきます。前回の記事でも使用したDCMの「強力万能ハサミ」を使用していますが、やはりこの商品のように「刃に角度が付いていて」「持ち手がニッパーのように開くばね付きになっている」ハサミがあった方が解体は圧倒的に楽だと思います。
中のスポンジごと切ってしまうようりかは、生地のみをまず切っていった方が効率的に作業できます。
スポンジはハサミで切るのは大変ですが、手でむしり取るのは簡単なので、まずはハサミで生地のみを取り除いてその後でスポンジをむしり取るのが効率的な手順となります。
布地を剥ぐと木のフレームが出てきました。
スポンジは接着剤で付いているだけなので、手でどんどん剥がすことができます。
フレームに巻き付いているあて布のようなものも切り取ったら……
背もたれがフレームのみの状態になりました。
同様の作業を、座る部分にも同様に施していきます。
布地をはがして……
スポンジをむしり、あて布を切り取ります。
余談ですが、座る部分のあて布が、背もたれ部分と比べて頑丈で柔軟性のある生地になっていました。
部位ごとの工夫がしてあるのが見えて面白いですね。
座る部分もフレームのみになりました。
2.金具部分を取り除きつつ、解体を進める
ここで一旦、フレームごとに分解していこうと思い、まずは背もたれ部分のフレームを取り外そうとしてのですが、何と六角ボルトで固定されている部分が出てきました。
六角ボルトを取り外すためには、「レンチ」と呼ばれる工具が必要になります。
僕はこの日たまたま以前もお話しした壊れた蛇口を直すために工具を持ってきていたので助かりましたが、普通レンチなんかあまり持っていませんから、ここでソファ解体のハードルがグッと上がってくることになってしまいますね。
ちなみに写真に写っているのは「ラチェットレンチ」と呼ばれる工具で、先端部分が取り外しできるようになっていてサイズをワンタッチで変更できたり、持ち手についているレバーによって開ける方向・締める方向どちらかに回転を固定できたりできるかなり便利なレンチになります。
ラチェットレンチを開ける方向に固定し、どんどんボルトを取り外していきます。
ボルトが取れると、あとは布地で引っ付いているだけになりますので、そこをハサミで切り取ります。
背もたれフレームを取り外すことに成功しました!
続いて肘置きにあたる彩度フレームも取り外したいのですが、どこで固定されているのかが分からず、とりあえず外側を剥がしていきます。
金具が見つかりました。
ですが、こちらはどうやら裏側のようなので、ソファを持ち上げて底面の裏から同じ個所を覗いてみると……
ありました。どうやらここも六角ボルトで固定されているようです。
困ったことに、奥側の2カ所の真上に添え木があって、ラチェットレンチが入っていきません。
ラチェットレンチは便利な道具なのですが、画像のように高さが取れない場所だと使用できない場合があります。
なのでこの場合には、画像にある「メガネレンチ」を使います。
「メガネレンチ」とは、文字通り眼鏡のように両端に六角レンチ用の穴が付いているレンチになります。
良く簡易工具として付いてくるようなレンチ(スパナ)と違って丸く閉じているためレンチに当てはめやすく、力も籠めやすいのが特徴です。また、ラチェットレンチと比べると高さも必要ないため、比較的狭い場所での作業も可能です。
見た目の通り持ち手が長く、てこの原理によって強い力で開け閉めできることも特徴の一つです。安いレンチだとやり過ぎて折れることもあるのですが。
ネジ穴が一カ所バカになってしまっていてかなり時間がかかってしまいましたが、何とか4カ所のボルトを外すことができました。
あとは布地一枚でつながっている部分をハサミで取り除けばサイドフレームも外すことができます。
両側を取り外すことができました。
あと繋がっているのは、座る部分と底面のフレームだけです。
この金具で上下のフレームがどこかでつながっているはずなのですが、ボルトの箇所がなかなか見つかりません。
端っこに隠れるようになっていたボルトを発見したのですが、こちらは反対側のようです。
ならばと、このボルトの頭があるはずのカ所の布地をハサミで切って剥いでみると……
ようやく発見しました。布地で頭部分が覆い隠してありました。
このように、頭部分が奥まったカ所にあるような場所だと今度はラチェットレンチが活躍します。
メガネレンチや普通のレンチ・スパナだと、木材に挟まれてしまって回転幅を取ることができませんので、酷く時間がかかってしまいます。
さて、金具が外れていよいよ全て解体できたかと思いきや、まだ座る部分と底のフレームが離れません。
どういうことかと思って底のフレームを確認すると、4カ所ネジでとめられていいる箇所を発見しました。
今度はドライバーかよ! って感じですね。
工具箱には適合するドライバーもあるにはあったのですが、見て分かる通り錆ついてしまっていて、とても手持ちのドライバーで取り外すことができるような状態ではありません。
そのため、想定よりも一歩早くノコギリに活躍してもらうこととしました。
ドライバーでくっついているブブの身を狙って、ノコギリで切り離していきます。
かなり狭い箇所だったので大変でしたが、流石はゼットソー、抜群の切れ味で切り進むことに成功し……
何とか最後の接合部分を取り外すことができました!
これにて「背もたれ」「肘置き×2」「座る部分」「底面」の計5つのフレームごとに分解することができました。
ちなみに、ここまでで既に3時間以上が経過しています。
つ、疲れるっ!!
3.フレームをゴミ袋サイズに切り出していく
すでに疲労が限界に達していますが、ここまできたら最後までやり切るほかありません。
ノコギリを使い、フレームをとにかく切り出していきます。細かい破片にまで切り出すのが理想ではありますが、労力と体力の関係上そこまで手間を掛けてはいられないため、ゴミ袋に入るギリギリを見極めつつフレームを切り出していきます。
ゼットソーの切れ味は抜群ですが、布地ごと切り出すと刃が悪くなってしまう可能性があるため、どうしても布地がかぶさってしまっていて邪魔な箇所は先にハサミで布地だけを切り取っておきます。
また、ところどころ布地を引っ付けていたホッチキス針のデッカイ版みたいな金具がある部分もあったので、そこにノコギリが引っかかってしまわないよう気を付ける必要がある場所があったりもして、なかなか気を遣う作業でした。
最後の方はもうイライラしてきたので、切り込みを入れて後は思いっ切り蹴りつけてバラバラにして分解することが多くなっていきました。
実際ノコギリを使うよりも早いですし、場所によっては釘のようなもので固定してあるところは手で引きちぎることも可能でした。ただ一つ難点を挙げるとすると、自分の身含め周囲に傷がつくことが大いにあり得るということですね。
安全上のことを考えるならばノコギリで丁寧に切り出していくことをお勧めします。
②解体完了・まとめ
解体した結果「燃えるゴミ袋7つ+金具」の状態にすることができました。
作業時間は全部で4時間以上……めちゃめちゃ大変でした。
今回の記事では、一人でソファを解体することにチャレンジする様子をお伝えしてきましたがいかがでしたでしょうか。
冒頭でも言いましたが、記事にしておいてなんなのですが、ソファを自分で解体して処分することは僕は全くお勧めしません。理由としては以下の通りです。
- とにかく大変&手間がかかる。時給で考えた時の費用対効果が小さい。
- 多くの道具が必要で、作業に取り掛かるハードルが高い(レンチ各種、万能バサミ、ノコギリ、ペンチ等々)
- 広いスペース&多少傷が付いても大丈夫な空間が必要
- 怪我をする可能性も高く、危険(木の破片、金具の先端などが刺さる、フレームが倒れてくる等々)
僕は今回、空き家での解体作業ということで、粗大ゴミに出すのすらなかなか難しい状況下で仕方なしに自分での解体作業を選んだという側面がありますが、普通に粗大ゴミに出すことができる環境であれば1000円払ってでも行政に処分してもらった方が安全&効率的だと思います。
それでも、怪我の危険の無いように十分配慮して、かつ伸び伸びと解体作業ができる空間を確保でき、工具も揃っていて、そして解体にかかる時間を考慮してなお問題ないのであれば、1000円前後の節約にはなる訳ですからやってみる価値はあるのかなと。
以上で今回の記事は終わりです。
また次回の記事でお会いしましょう。ここまでお読みいただきありがとうございました。