沢水を利用して畑への水やり用のため池を作るシリーズ、今回はその第3回になります。

ため池を作る前にまずは沢の整備をしていくために、前回は沢周辺の枝木や岩を撤去していく様子をお伝えしていきました。

沢整備に邪魔な物をどかしていく
巨大な倒木はノコギリで小分けにしつつ撤去していった。

今回は沢の整備を進めて行くということで、今現在水路が細くなってしまっている部分を拡張したり、分岐して水が散ってしまっている箇所をひとまとめにし流量が増えるようにしていったりする作業の様子をお伝えしていきます。

それではやっていきましょう。

①沢拡張作業の様子

1.下流の方から水路を広げていく

今回拡張作業における装備は、スコップとあとウェーダーと呼ばれる胴付き長靴を用意しました。

こちらの胴付き長靴は夏場の草刈りの際にマダニに取りつかれないようにも使用したものですが、どちらかというと今回のような水場での使用が主なものになります。

どうしても水路の拡張作業となると泥が跳ねることがあるのですが、ウェーダーのあるおかげで心置きなく作業に集中することができました。

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沢は別に完全に塞がれているという訳でもないため、特に下流の方は今現在も特に問題なく流れてはいるのですが、それでも土砂が堆積してしまって幅が細くなっていたり、途中中州のように泥が溜まって道が分かれてしまっていたりする場所があったため、全体的に幅を広げていくイメージで水路を拡張していきました。

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ただ、やはり水路の底は泥が溜まっているだけではなく、大小さまざまな岩が沈んでおり、いちいちスコップに岩が引っかかってしまうため底をさらっていくのはなかなか骨が折れる作業でした。

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after

沢を拡張していく際のイメージはとにかく「浅く、広く、真っ直ぐ」です。曲がりくねった水路にしてしまうとどうしても泥が溜まりやすくなってしまいますし、増水の際に決壊しやすくなります。

そのため、増水した時に備えて水路の幅は現在流れている量よりも一回り大きめに拡張していきました。

あまり深く掘っても、どうせ縁の方から石が零れ落ちてどんどん溜まって行ってしまいますから、深さよりは広さを重視しました。

さて、ここが下流と上流の境目であり、一段下がって水が流れている箇所になりますが、ここにはとある問題があります。

それが、水の流れが分かれてしまっていて、画像右側に向かって一部の水が支流となって流出してしまっているということです。

支流の水は結局メインの水路に戻っていくようにはなっているのですが、しかしその間に土中に水がしみ込んで行ってしまっているのか、この辺りの地面は一部沼のようにぬかるんでしまっている箇所がいくつかあるのです。

そのため、ここの分岐点を一つに集約し、水が当たりの地中に流れ込まないようにする必要性があります。

そこで、今回はこのように滝つぼをイメージして、道が分かれてしまっている部分を深く広く掘り、そこからメインの水路の方に水が流れていくようにしました。

これで上記画像から見て左側に流れてしまっていた水が行き場を無くしてその場に溜まり、それが最終的に右下奥のメイン水路の方に流れていくという形になっています。

2.上流の水路拡張

続いた段を一つ上がり、上流の方の水路拡張を行っていきます。

こちらの方は下流よりも一層水路が怪しくなっており、かなりの水量が地中に染み込んで行ってしまっていることが予想されます。

そのため、わずかに残っている水路の跡を拡張していき、先ほどの下流の流れにきちんと水が流れ込むようにしていきました。

岩や落ち葉、枝に覆われてあやふやになってしまっていた水路を……

地面を掘り、整えることで明瞭にしていきます。

ここが上流の段のまた端となり、ここから上は流れがはっきりしている沢になっているのですが、ここの上から流れる水がきちんと流れていっておらず、そのせいで水路が埋まってしまっているようです。

そこで、先ほどと同じく滝つぼのように水が一旦たまる場所を広く作ることによって、今まで散ってしまっていた水が一カ所に集まり、まとまった水量がメインの水路に流れるようにしました。

これにて全ての水路拡張作業が完了しました!

②作業後の沢の様子

上流から下の方へと流れる沢を見ると、しっかりとまとまった量の水が流れていっているのが分かります。

ここは上流から下流へと流れる段になっている場所ですが、もともとここは滝のように水が流れることが無く、染み出すように下から水が出て来るだけになっていました。

しかし、水路が拡張されたことによって水量が増したのか、上の方では滝のような水の流れが確認できるようになりました。

このように水の流れが生まれれば、ある程度の土砂であれば水が流して行ってくれるためどんどん水によって水路が拡張されて行ってくれるのではないかと思います。

下流を上から見下ろした様子がこちら、

こちらはそこまで大きな変化は見られませんでした。少しは水の流れが整ったとは思いますが……

こちらが末端の水路の流量の様子です。

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作業前の様子と比べると……うーん、増えた……かなぁ?

もっと劇的に水の量が増える展開を期待したのですが、水路自体が完全に塞がってしまっていたとかならともかく、元々水は流れてはいたので、そこまで大きな変化にはなりませんでしたね。

③まとめ

今回は沢を利用したため池を作る前段階としての、沢の整備を進めて行く様子をお伝えしていきました。

結果としては、全体的な水路の流れ自体は割と整ったなと感じましたが、それで沢に流れる水量自体が大きく変化したかと言うと微妙な感じでした。

後は日数をおいてみてどうなるかですね。水路が決壊したりしないか、獣に荒らされたりしないか、現在ぬかるみになってしまっている場所はマシになるのかとうとう、それら今後の動向次第で沢の整備を今後どうしていくのかの参考にしていきたいと思います。

いよいよ次回はため池作成に入って行きたいと思います。

今回沢の拡張作業をした感じだけだと、この辺りの岩ばかりの地面を掘るのはかなり苦労しそうではありますが、何とかそれなりの大きさのため池を作っていきたいですね。

水は果たしてちゃんと溜まってくれるのかどうか……ご期待ください。

以上で今回の記事は終わりです。

また次回の記事でお会いしましょう。ここまでお読みいただきありがとうございました。