どうも、たかしです。

小屋暮らし予定の土地に付随してきた空き家の整備を進めていくシリーズ、今回はその第38回になります。

僕はこれまで、空き家内に残っていた様々な家具や家電、寝具、タイヤなど、普通に処分すれば手数料や処分費が発生してしまうのを何とか費用を掛けず処分できるよう工夫してきました。

【土地整備】空き家の整備 ⑰:空き家から出た廃タイヤのホイールを自分で取り外してみる
【土地整備】空き家の整備 ㉒:空き家から出た廃家電を解体して鉄くず業者に売る
【土地整備】空き家の整備㉗:マットレスを解体し、鉄くず業者に持ち込んで処分する
【土地整備】空き家の整備㉙:居間に残った大量の家具を全て解体していった3日間

できるだけ安く処分できる業者を探したり、分解して鉄くずを売ったお金を処分費と相殺したり、とにかく破壊して細かくしたり……恐らくこれまでで節約できた処分費は、40点以上の家具・家電を処分してきて、処分費1点500円と考えても2万円近くにはなるのではないかと思います。

……ですが、今回ついに費用を掛けずに処分するのが不可能に近いゴミに行きあたってしまいました。

それは、かつて「家電3種の神器」とまで言われ、一家に一台は確実に存在している家電、テレビ・冷蔵庫・洗濯機です。

今回の記事では、なぜこれらの家電をこれまでのように費用を節約して処分することが難しいのか、「家電リサイクル法」についても触れつつ解説していきます。

そして、「家電リサイクル法」にのっとりつつも少しでも処分費を安くするためにはどうしたら良いかも考えていきます。

それではやっていきましょう。

①テレビ・冷蔵庫・洗濯機の処分費

大阪市HP「家電リサイクル法対象品目の出し方」

この表にのっとって考えると、空き家に残されている家電3種の処分料金は以下のようになります。

なんと合計で10230円、1万円を超える額となります。

ちなみにサイズの目安として、テレビはよっぽど小型(風呂場の壁掛けとか、キッチンに置くようなミニテレビとか)の物でなければ16型以上、冷蔵庫は一人暮らしの小さなサイズであれば170L以下と言ったように考えればよいかと思います。

更に、負担はそれだけではありません。もしもこれらの家電を処分する理由が買い替えではなく、さらには購入した先の小売店が不明だったり廃業していたりなどしている場合には、自分で指定引き取り場所まで搬入するか、もしくは別途運搬料金を支払って指定の業者に依頼しなければならないのです

ちなみに、東京23区からリサイクル対象家電の引き取りを受け付けている家電リサイクル受付センターのHPによると、運搬費は大体3000円前後となっているようです。

目ん玉飛び出るかと思いました。高すぎるだろ!!!!

もしも運搬費込みで処分費を計算し直すなら、合計金額は18304円になります。

ふぇぇ……これまでの節約分が溶けちゃうよぉ。

一体全体、どうしてこんなことになってしまっているのか……これも全部家電リサイクル法ってやつの仕業なんだ。

②家電リサイクル法とは?

1.家電リサイクル法の仕組み

家電リサイクル法とは、正式名称を「特定家庭用機器再商品化法」と言い、特定家庭用機器廃棄物の収集・運搬について適正な取り決めを定め、廃棄物の減量及び再資源化を図るための法律になります。

1998年に成立し、2001年から施工されている法律で、現状リサイクルが必要な「特定家庭用機器」に指定されているのは

  • エアコン
  • テレビ
  • 冷蔵庫及び冷凍庫
  • 洗濯機及び衣類乾燥機

の4品目になります。

家電リサイクル法では「製造業者」「小売業者」「事業者及び消費者」にそれぞれ責務を設けて、特定家庭用機器廃棄物の円滑かつ適正な処分・再資源化が行われるようにしています。

それぞれに与えられた責務を簡単に説明すると

製造業者

指定取引場所で製品を引き取り、再商品化等の処理を行う義務

小売業者

自らが過去に販売した、もしくは買い替えの際に引き取りを依頼された特定家庭用機器の収集・運搬義務

消費者・事業者

排出する特定家庭機器の適正な引き渡しと、リサイクル・運搬料金の支払い義務

となっています。

つまり、私たちが家で必要なくなった冷蔵庫や洗濯機を処分する際には、リサイクル法で定める所の「消費者としての責務」を課されることとなり、リサイクル券を購入し、対象となる小売業者へ引き取りの依頼をするか、自ら家電を指定取引場所へ運搬もしくは運搬料金を支払う必要があるという仕組みになっているのです。

2.家電リサイクル法の問題点

私たち消費者にとって、家電リサイクル法の最大の問題点は「リサイクル料金が排出時に支払われる後払い制」になっている点にあります。

上記の責務一覧を見ると、家電をリサイクルする際の全ての必要経費が消費者にしわ寄せされている現状があり、記事の冒頭で示した処分費から見ても、リサイクル券の購入費用は非常に高額となっていることが分かります。

では、必要なくなった家電製品を処分するために莫大な費用が掛かり、もしもそんな費用とても準備できないとなったら、どんな事態が想定されうるでしょうか?

まだ善良な人であれば、その場での処分は止め後回しにし、結果的に家の中に放置することとなるでしょう。冒頭の事例で言う「空き家の庭に放置されていたテレビ」なんかは正にその典型例であると言えます。

ですが、もしもモラルの低い人がそのような状況に陥ったら……? 当然考えられるのは人目に付かない場所への遺棄……「不法投棄」が発生することが考えられます。

つまり、この「家電リサイクル法」による後払い方式でのリサイクル料金の徴収は、「不法投棄」をむしろ助長することになってしまっているのではないかという議論があるのです。

では、なぜリサイクル料金を家電の販売額に元々含めておいて充てんする「先払い方式」にしなかったのでしょうか。それは、原因の一端に「先払い方式を採用することにより、高額となってしまう家電製品が売れなくなってしまうのではないか」ということを懸念した「家電メーカー」側からの猛反対があったと言われています。政治の闇を感じますね。

3.罰則規定について

ちなみに、家電リサイクル法には「製造業者」や「小売業者」にたいして措置命令に反した場合の罰則は定められていますが、消費者に対しての罰則は規定されていません。

だからといって、もちろん不法投棄をしたらそれは別の法律違反で罰せられますし、自治体は家電リサイクル法対象品目を回収してくれませんし、不用品回収業者も使えないテレビや冷蔵庫などの回収の際には割高の料金を設定しています。なので実際の所、消費者は大人しくリサイクル料金を支払って処分する以外の方法は無いと言えます。

もしくは永遠に家の中にため込んでおくか、ですね。壊れた冷蔵庫や洗濯機は収納スペースとして活用でもすれば邪魔にもなりませんし、それもアリかもしれません。そもそも家電リサイクル法は消費者に廃棄に対する抵抗感を与えて長く使用してもらうために講じられた措置でもありますし、ある意味法の趣旨に沿っていると言えます。

③少しでも安く処分する方法を考える

ここまで家電リサイクル法について解説し、消費者は大人しくリサイクル料金を支払って処分するか、家の中にため込んでおくかのどちらかしか方法は無さそうだということは理解していただけたかと思います。

ですが、僕は抗います。

このまま法律に屈し、国の奴隷としてリサイクル料金を徴収される一方では、ここまで処分費を節約してきた努力が全て水の泡となってしまいます。

どうしたら少しでも処分費用が抑えられるのか? ここはやはりタイヤの時にも行った「解体し、鉄くずとして買い取ってもらった部分の売り上げと処分費を相殺する」方法しかないと思います。

ですが、一体どの程度までだったら解体してよいのか? どこまでの部品だったら鉄くず買取に回しても大丈夫なのか? それはどのサイトを調べても出てきませんでした。

と言う訳で、実際に役所の人に聞いてみることにしました。

もちろん、ありのまま聞こうとしたところで「いや、普通にリサイクル券購入して処分しろよ」と言われるに決まっています。なので、「一部パーツが欠損しているような状態の物でもリサイクル券で処分することができるのか?」と遠回しに聞いてみることにしました。

具体的に聞いてみなくては意味がないと思うので、今回は「電源コードが無くなっているような状態の品でも大丈夫なのか」という形で聞いてみました。電源コードの中の銅線は高く売れますからね。

では、実際に電話で問い合わせてみた時の音源を載せておきます。どうぞ。

以上の問い合わせ内容から、「冷蔵庫や洗濯機から電源コードを取り外し、売却した額でリサイクル料金を相殺する」と言う方法は、不可能ではなさそうなことが分かりました。

要は見た目や性能的な面で「冷蔵庫である」「洗濯機である」ことが分かる品物であれば、リサイクルの対象となるということですね。なので、その範囲内の部品であれば取り外して売却してもリサイクルができなくなるということではないということです。

ただ、ちょっとでも処分費を節約するためにそんなことを実行する人がどれぐらいいるのかは疑問ですね。罰則はないとはいえ、何だか流石に後ろめたいような気もします。

④まとめ

今回はテレビ・冷蔵庫などの「家電リサイクル法」対象の物を少しでも安くするための方法を考えてきました。

結論としては「その品物が『テレビである』『冷蔵庫である』との判断が付く程度であれば、一部部品を分解・売却して処分費に充てても大丈夫そう」ということになったのですが、あくまで現場担当者の言葉だけでの判断なので、リスクを取りたくないのであれば大人しくリサイクル料金を払って処分するのが良さそうな気がします。

僕も、今回「電源コードが無くてもリサイクルはできる」ということが分かっても、じゃあそれが「電源コードなら取り外して売却しても大丈夫」ということに一義的になるわけではないことは理解してますので、空き家の冷蔵庫や洗濯機に関してはいつか準備が整ってから適切にリサイクル券を購入して普通に処分しようと考えています。

偶然にも空き家の洗濯機や冷蔵庫はコードの無い状態で放置されていたので、そもそも取り外しようが無いですしね!

今回問い合わせたことが無駄にならなそうでよかったです。家電リサイクル法バンザイ!

という訳で今回の記事はこれで終わりです。

また次回の記事でお会いしましょう。ここまでお読みいただきありがとうございました。

シリーズ記事

【土地整備】空き家の整備 ①:納戸の片づけBefore・After

【土地整備】空き家の整備 ②:納戸を片付けて出てきた物を売ってみたら○○円になった

【土地整備】空き家の整備 ③:寝室の片づけBefore・After

【土地整備】空き家の整備 ④:空き家から出てきた衣服を売ったら○○円になった

【土地整備・検証】空き家の整備 ⑤:寝室から出てきた雑貨を売ったら○○円になった

【土地整備】空き家の整備 ⑥:キッチンの片づけ(前半)

【土地整備・検証】空き家の整備 ⑦:オフハウスの店舗間の格差がとんでもなかった話

【土地整備・検証】空き家の整備 ⑧:キッチン(後半)+風呂場の片づけ+とんでもない事態発生

【土地整備・検証】空き家の整備 ⑨:オフハウスの店員間の格差がとんでもなかった話

【土地整備・検証】空き家の整備 ⑩:空き家の使えそうな家具を売ったら○○円になった

【土地整備】空き家の整備 ⑪:空き家から出た粗大ごみを解体する……座椅子・布団編

【土地整備】空き家の整備 ⑫:空き家から出た粗大ごみを解体する……ソファベッド編

【土地整備】空き家の整備 ⑬:空き家から出た粗大ごみを解体する……棚・クローゼット編

【土地整備】空き家の整備 ⑭:空き家から出た粗大ごみを解体する……こたつ・食器棚・竹カーペット編

【土地整備】空き家の整備 ⑮:空き家の蛇口を修理する……蛇口の先からの水漏れの場合

【土地整備】空き家の整備 ⑯:空き家から出たタイヤをどうしたら安く処分できるか考える

【土地整備】空き家の整備 ⑰:空き家から出た廃タイヤのホイールを自分で取り外してみる

【土地整備・検証】空き家の整備 ⑱:廃タイヤ・ホイール処分&売却したら差し引き〇〇円になった

【土地整備】空き家の整備 ⑲:空き家の蛇口を修理する……蛇口の継ぎ目からの水漏れの場合

【土地整備】空き家の整備 ⑳:居間の片づけBefore・After

【土地整備・検証】 ㉑:ガチンコ買取比較!セカンドストリートvs買取王国(衝撃のラスト)

【土地整備】空き家の整備 ㉒:空き家から出た廃家電を解体して鉄くず業者に売る

【土地整備】空き家の整備 ㉓:物置の片づけBefore・After(ラストにとんでもない品が!?)

【土地整備・検証】 ㉔:空き家から出たお宝(?) を査定してもらったら○○円になった

【土地整備・検証】 ㉕:オフハウスの店員間の格差に直面しました~「居間・物置」から出た雑貨の買取~

【土地整備】空き家の整備㉖:空き家から出た廃家電を解体して鉄くず業者に売る②

【土地整備】空き家の整備㉗:マットレスを解体し、鉄くず業者に持ち込んで処分する

【土地整備】空き家の整備㉘:空き家に残された大量のペンキ一斗缶を処分・売却する

【土地整備】空き家の整備㉙:居間に残った大量の家具を全て解体していった3日間

【土地整備】空き家の整備㉚:空き家のスチール系家具を解体して鉄くず業者へ持ち込む

【土地整備】空き家の整備㉛:放置されていたシニアカーを分解して売ったら○○円になった 前編

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【土地整備】空き家の整備㉝:隠された謎倉庫を発見した+隣地の謎のビニール紐

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【土地整備】空き家の整備㊱:謎倉庫から出てきたゴルフクラブセットの処分方法を考える

【土地整備】空き家の整備㊲:空き家の放置された冷蔵庫の掃除~一番臭かったのは○○~(前回)

【土地整備・考察】㊳テレビ・冷蔵庫・洗濯機の処分を考える…家電リサイクル法について←今ここ