どうも、たかしです。

小屋暮らし予定の土地に付随してきた空き家の整備を進めていくシリーズ、今回はその第92回になります。

前回の記事では、排水の集合場所となる浴槽のセットと、その浴槽までつながるキッチンからの排水ホースの設置を行い、きちんと流れるかのテストまで済ませました。

簡易流し台から伸びたホースが……
浴槽の中まで伸びている
水が通るのも確認済み

今回はいよいよ、穴を掘って浸透桝を設置していきます。

穴掘りから砂利・防草シートを用いての浸透層の作成、溜枡に排水管を通すための穴あけなど、様々な作業を通して浸透桝の完成を目指します。

それではやっていきましょう。

動画も作成いたしましたので、よろしければ併せてご覧ください

①穴を掘る

まずは、もともと配管が集合していたであろう地点に、排水桝設置のための穴を掘っていきます。

穴のサイズはどのぐらいにするかの基準として、「一回の排水でMAXどのぐらいが流れ込むか」を考えます。

僕は小屋暮らしに置いて浴槽にお湯を溜めるつもりは今の所全く無いので(というかお湯を溜める手段がない)、最も多く排水が流れるのは洗濯時ということになります。

僕が現在使用している一人暮らし世帯向け洗濯機の1回の選択で使用する水量が大体100L前後になってくるようなので、排水桝の許容量もそのぐらいは必要ということになります。

となると、容量を確保するためには穴の口を広くするか深さを伸ばすかのどちらかになってくるのですが、排水桝の設置予定場所は割と狭く、今回は元々あった側溝を再利用する計画である以上場所の変更はあまりしたくありません。

という訳で、穴のサイズは開口面積を60cm×60cmにし、深さを取ることで容量を確保することにしました。

開口面積60cm×60cmで容量100Lを確保するために必要な深さを計算すると……

  • 100L=0.1㎥ 60cm=0.6m
  • 0.6×0.6=0.36㎡
  • 0.1÷0.36≒0.27m

となり、単純な容積だけで考えるならば深さが30cmほどあれば100Lを確保できることが分かりました。

とはいえ、これは空間が完全に空いている状態の話であり、実際はそうではなく排水の貯蔵空間は敷き詰めた砂利の隙間に水が入り込むことによって成り立つわけですから、空間体積に対する水の貯蔵量はだいぶ減ってしまうはずです。

そう考えると深さ30㎝だけでは不安と考え、今回はその倍の60cmを浸透桝の深さとすることにしました。

こちらが掘削した穴になります。

掘削した穴の側面が、いくつもの層状になっているのが分かるでしょうか。掘り始めの十数cmまでは濃い茶色の土の層で、これは葉っぱやその他有機物が堆積した層でかなり柔らかく掘るのも簡単だったのですが、次第にその層が白い山肌の層になっていき、最終的には赤茶色の地盤が出てきました。

白や赤茶色の地盤はかなり固く、スコップの先で削るようにしないと掘り進めることができず作業が難航しました。

調べてみたところ、赤茶色の地盤はローム層と呼ばれ非常に安定性が高い地盤みたいですが……

小屋を建てることを考えた時には朗報だと言えますが、穴を掘る際には固くて大変なのでむしろマイナスですね。

深さ30㎝ほどからこの固い地盤が現れ始めて、50㎝あたりからいよいよ掘り進めるのが厳しくなってきました。結局、目標である60㎝掘るのは厳しそうだということで、穴の開口部の横幅を10㎝拡張することで容量を確保することにしました。

②砂利で浸透層を作る

まずは穴の底に小粒の砂利を敷き詰めていきます。

これには溜枡の高さを側溝のブロックに合わせるための調整を兼ねつつ、溜枡が傾いてしまわないよう地盤の安定化の意図も含まれています。

続いて砂利の層の上に防草シートを、穴全体をカバーするようにセットします。

この防草シートは透水性であるため、排水の地面浸透を邪魔することなく砂利や根っこなどが排水層に侵入することの無いよう防護することができます。

防草シートの上に更に高さ合わせ+浸透層の大粒砂利を敷いたら、溜枡を仮置きして側溝との高さを調整します。

この時点で特に問題はありませんでしたので、続いて更に砂利を敷いて溜枡を固定する前に、溜枡に排水管を通すための穴をあける作業に移行していきました。

③溜枡への穴あけ

溜枡は、丸く窪んでいる箇所のブロックが薄く作られており、ハンマーとタガネで穴を開けることができるという噂を聞きつけたので、排水管を通す穴をあけてみることにしました。

コンクリートブロックは思いのほか固く、タガネでかなり強くたたかないと削れていきません。初めてということもあり、おっかなびっくり作業をしていたらこのサイズの穴が悪魔で15分ほどもかかってしまいました。

ただ、穴が開いてからはどんどん底を起点にして穴を広げていくことはそこまで大変ではありませんでした。できるだけきれいな円形にしたかったので、端の方から少しづつ、グルグルと桝を回しながら穴をあけていきました。

反対側にも、ホース用の穴をあけて準備は完了です。

④オーバーフロー用塩ビ管を作る

浸透桝の貯水量が限界に達した際に排水される「オーバーフロー排水」ようの塩ビ管を、空き家の元の排水管を撤去した際に回収した塩ビ管を繋げて作ります。

塩ビ管同士の接続には、アルミクラフトテープを3重ぐらいに巻いて使用しました。

前回浴槽の排水ホースをつなげる目的で使用した際にはてんで接着しなかったアルミテープでしたが、塩ビ管を繋げる際には抜群の接合能力を発揮してくれました。

やはり前回は使用する場所が悪かったのか……それとも接合される対象の浴槽が良くなかったのか……アルミテープは奥が深そうですね。

3つの塩ビ管を繋ぎ、一つの長い排水管に仕立てました。

本当だったら塩ビ管同士をつなげるパーツを使ってちゃんと接合したかったんですが、この塩ビ管が「外径48mm」というめちゃくちゃ中途半端な規格だったんですよね。ホームセンターをいくつ回っても40mmや50mmの物しかなかったため諦めてテープで接合することにしました。

この塩ビ管は排水溝のブロックの中に通すため、一応これでも大丈夫だとは思いますが若干不安は残りますね。

⑤排水桝の設置完了

溜枡を設置して、ホース・塩ビ管を通したら……

溜枡の周りに追加で大粒の砂利を投入していきます。

個の大粒の砂利は浸透層の役割に加え、溜枡の周りを砂利で囲むことによって溜枡がずれることを防ぐ目的もあります。

以上で浸透桝の仮設置が完了しました!!

⑥次回「排水テスト・完成編」に続く

今回は浸透桝を設置するための穴を掘り、溜枡の加工をし、浸透桝を仮設置するまでをお伝えしていきました。

次回はいよいよ排水テストを行っていき、「きちんと排水が流れていくか・貯水量はどのぐらいか・満水時のオーバーフローは機能するか」などなどを確認します。

やはり理想は100Lの排水をため込むことができ、かつもしそれ以上の排水があったとしても問題なくオーバーフロー排水が機能することですね。

一番起きてほしくないのは「排水されない、水漏れが起きている」という事態。流石にここまで綿密に計画を立てていった以上そんなことはないと信じたいですが……果たして。

次回「排水テスト・完成編」、お楽しみに!

以上で今回の記事は終わりです。ここまでお読みいただきありがとうございました。