どうも、たかしです。

僕は現在山奥の集落で小屋暮らしをしていますが、それまでは市街地のアパートで暮らしていました。

そんな僕が山奥に引っ越してきて最初に驚いたのは、圧倒的な生き物の種類と数! 街中とは比べ物にならないほどの多種多様な生き物たちがそこかしこで往来している光景は、山奥で生活していれば日常風景です。

さて、それだけたくさんの生き物が生息しているとなると、当然その中には人間にとって害となるものも多く存在します。

危険な生き物、と聞くと大体の場合「クマ」だとかもしくは「ハチ」「ヘビ」辺りが浮かぶかもしれませんが、基本的に彼らは、というより生き物全般は「人間」という生物全般から考えたら比較的巨大かつ異質な生物に自分から近づいてくることはありません。もちろん脅威であることには間違いありませんが、日常的に生活していて襲われることは基本的にありません。

しかし、中には積極的に自分から人間に近づいてくる生き物が存在します。それこそが「吸血性」の生き物です。

彼らにとって、毛皮も持たず固い皮膚もない人間は格好の餌であり、日常生活の中でさえちょっと油断するとその被害にあってしまうのです。

今回の記事では、僕が山奥で小屋暮らしを始めてから初めて遭遇した、被害に遭った吸血性の生き物3選をご紹介していきます。

小屋暮らしに限らず、山に入る時にはいつでもこれら生き物の被害に遭う可能性がありますので、その注意喚起も含めてお伝えしていきたいと思います。

それではやっていきましょう。

①マダニ

山にいる吸血生物と言えば、コイツを欠かすことはできません。

吸血&感染症媒介のダブルパンチ。吸血生物の傑物、マダニです。

マダニは、その名前にある通りダニの仲間で、主に獣の往来の多い山間部の茂みの中に生息しています。

ダニというと、布団やカーペットなんかに住みつく目に見えないほど小さい生き物を想像しますが、マダニはかなり大型のダニで、成虫では3~8mmありハッキリ視認することができる大きさです。孵化して間もない幼虫だと1mm未満とかなり小粒にはなりますが、色がはっきりとした赤色でかなり目立つので目視することも十分可能です。

長靴に纏わりつくマダニ幼虫

当ブログでは何度も取り上げている虫で、僕自身空き家に引っ越して間もない頃、完全に油断していたところをマダニに噛まれてしまった過去があります。

マダニは、一度噛みついたら患部に強固に食いつき、その体が数倍にも膨れ上がるほどに大量の血液を数日かけて吸うという特徴があります。

マダニの恐ろしさはなんといっても感染症を媒介する点です。

ただ吸血されるだけであれば、小さなマダニであれば特に噛まれても痛みは無く、しばらく放置しておけば最終的には自分から零れ落ちるためそこまで大きな害はないように思えます。

ですが、マダニはいくつもの感染症の媒介者となることがあり、特に恐ろしいのがSFTS(重症熱性血小板減少症候群)で、発症率はマダニに噛まれた場合0.3%と低いのですが、発症した場合の致死率は10~30パーセントと言われており、重篤化する可能性が十分あるのです。

マダニは、獣がいる山の草むらにはまず間違いなく存在しています。実際僕の購入した空き家の庭や、農地にはちょっと草むらに入ると足元に纏わりついてくるぐらい大量に生息しているので、ちょっとした山の草むらには基本的に存在していると思っていいでしょう。

②ブユ

ブユは、山中の渓流近くなどに生息しているハエの仲間である吸血昆虫です。

体長は3~5mmで、羽音を出さずにいつの間にか皮膚を食い破って吸血するらしいです。

……というのも、僕はブユに噛まれたことはあるのですが、未だその姿を明確に視認したことが無いんですよね。それっぽい虫が飛んでいるのを見たことは何度もあるのですが、そいつが僕の皮膚を食い破っているのを目撃したわけではないので。

ではなぜその虫刺されがブユによるものかと分かったのかというと、その吸血跡と症状があまりに特徴的だったからです。

ブユに噛まれた場合、まずはその患部に特徴的な出血によるごく小さな赤い点が残ります。

イメージ

なぜこのような跡が残るのかというと、注射針のような口を指して吸う蚊などとは違って、ブユは顎で皮膚を食い破り、そこから出血したものをなめとるように血を摂取するからだそうです。

噛まれてすぐは不思議なことに痒みも痛みも無いのですが、問題は翌日以降。

強烈な痒みが発生し、それが数日にかけて長い間持続するのです。

同じ虫刺されによる痒み症状として蚊に刺されたことはほとんどの方はあると思いますが、痒みの強さもしつこさもそれをはるかに上回ります。数日たってやっと痒みが納まったかと思ったら、ふとした瞬間にまたぶり返して……といった感じでかなり強烈な症状でした。

6月ごろに数カ所刺されて以来刺されたことは無いため、僕の住む場所ではそこまで大量に生息している訳ではなさそうですが、マダニとは違い飛翔して吸血してくる生き物なので、いつ刺されるか分からないという点ではまた違った脅威となっています。

③アカウシアブ

アカウシアブは、体調20~30mmという非常に大型のアブになります。

スズメバチに酷似しているオレンジ色と黒の縞模様が特徴的で、ブユと同じく渓流があるような山間部に多く生息しているようです。

僕の所有している農地や空き家の庭にも頻繁に出現し、その見た目から最初はスズメバチかと思って驚きました。ただ、ハチとは明らかに飛ぶ時のスピードや軌道が異なるので(アブの方がはるかに速く、頻繁に旋回し、直線的)見分けは容易です。

実は僕はまだコイツに刺されたことはありません。ブユと同様、皮膚を食い破って出てきた血をなめとるため、巨大なコイツに噛まれるとかなりの傷みが発生し、その後も腫れて痒みや痛みなどの症状がでるらしいのですが、僕はそれはまだ未経験です。

ではなぜそれが吸血性のアカウシアブだと分かったのかというと、見た目が特徴的というのもありますが何といってもコイツが普通の虫ではありえないぐらいしつこく周囲を飛んでまとわりついてきたからです。

特に農地の草刈り中に、気が付いたら辺りを大きな羽音を立ててブンブン飛んで、じっと立っているとぴたりと服に張り付いてきたりするので「何だこいつは!?」と思い調べた結果、吸血性の昆虫だということが判明したという流れです。

普通はセミでもバッタでもカマキリでも、人間が近づいてきて草を刈っていれば逃げていくものです。なのにコイツだけは自分から積極的に近づいてきたため、吸血性の昆虫ということがありありと表れていました。

自分から寄ってくる生き物は吸血性。これは間違いなく一つの教訓となりました。

④まとめ

今回の記事では、山奥小屋暮らしを始めてから遭遇した危険な吸血生物3選をお伝えしていきました。

今回お伝えした3種は、山奥では普通に生活していても被害に遭う確率が高いため、日常的に対策をしていかなくてはならないのがなかなか大変なところです。

具体的には

  • 基本的には(特に屋外作業時には)肌の露出をできるだけ抑える。
  • 防御の弱い場所(腕周りや顔・首元)には虫よけ剤を塗る。
  • 長靴を履く(マダニ対策では特に重要)

などがあげられますね。

吸血性の生き物が特に活発となるのが夏場なので、肌の露出を抑えるように長袖長ズボンを着て、それで作業をするというのはなかなかしんどい物がありますが、やはり吸血はされたくありませんからね。

でもそうすると今度は暑すぎて熱中症にかかる恐れがあるので、本当に山奥での生活は過酷です。

山奥で小屋暮らしを始める際には、このような吸血生物による脅威があるということをどうか留意いただけたらと思います。

優雅なひと時などというものは夏場の山奥野外には存在しません。お忘れなきよう。

以上で今回の記事は終わりです。

また次回の記事でお会いしましょう。ここまでお読みいただきありがとうございました。