どうも、たかしです。

2月も後半に入り、ようやく暖かくなって来たか……? と思いきやここに来てまさかの最長寒波襲来というなかなか渋い状況ですね。

僕が小屋暮らしをしている山奥集落も寒気がしぶとく居座っており、山間部特有の身を切るような寒風も相まってなかなか厳しい気候となっております。

さて、そんな中去年の10月にDIYした「薪ボイラー」はほぼ毎日フル稼働しており、極寒の風呂場を少しでも和らげるためお湯を沸かすと同時に空間も暖める非常に重要なアイテムなのですが……これが最近妙に調子が悪くなってきたんですよね。

煙突を通る熱気に水を通したパイプを当てることでパイプ内の水が温められ、それがトタンバケツ内で循環することでお湯を沸かすシステムとなっているこの薪ボイラーなのですが、ここ最近お湯が沸くまで異様に時間がかかるようになってしまったのです。

稼働当初は30分ほどでお湯を沸かすことができていたのが、最近ではもう酷いときは1時間30分とか経ってもまだほんのりお湯ぐらいにしかなってない時があって、最初は「冬で水も冷たいししょうがないか」とか思っていたのですがそれにしてもかかりすぎです。

それに加えて炉内の薪燃焼に関してもやけに効率が悪くて、稼働当初はどんどん炉内に空気が送り込まれて燃焼が促進されていたのが、最近じゃ逆に煙が流出してきてしまうぐらい空気の巡りが悪くなっています。

もうそろそろ冬シーズンも終わることですし、このまま1シーズン使い切ってしまってまた次の使い初めにメンテナンスを使用と思っていたのですが、流石に我慢の限界と言うことで、今回は薪ボイラーの調子を何とかするため煙突内の煤掃除を行っていくことにしました。

薪ストーブという物は煙突に煤が溜まりやすく、定期的に掃除をした方が良いというのは聞いていたのですが、これまで一回も掃除をせず今日まで来ていたんですよね。なのでいい加減やらないといけないのかなと。

こんなこともあろうかと、煙突には点検のための穴付きアタッチメントを取り付けてありますので今回はこの点検口も利用しつつ、一度薪ボイラーを分解してなぜ調子が悪いのかを調べ、煤掃除をすることで性能復活を目指していきたいと思います。

それではやっていきましょう。

①煙突の解体、内部観察

まずは煙突を解体し、中の様子がどうなっているかを確認していきました。

煙突どうしははめ込んであるだけで特に固定はしていないため、引っ張って簡単に取り外すことができます。

ヒエッ!?

や、ヤベエことになってやがる……

10月からの稼働なのでまだ半年も経っていないのに、もうこんなことになっていたとは……煤がヤバすぎてもはや煙突の内径が半分近くになってしまっています。

さらに肝心の水が通るパイプの方はと言うと……

WOW……

もはや穴が煙突内径の3分の1以下もありません。元の形を知らないとこれがどのような状況下分かりづらいと思いますが……

こちらがbefore。パイプを煙突内部に沿わせるようにぐるぐる巻きにしてあったのですが、その周りにこびりつくように煤が付いて穴を埋めてしまっている状況のようです。

パイプの周りにこれだけ煤が付いてしまうと、煤がさながら断熱材のように機能して煙突内部の熱が水に伝わらなくなってしまいます。だからあんなにお湯が沸くまで時間がかかってしまっていたんですね。納得。

続いて煙突点検口も開いて内部の様子を覗いてみることにしました。

一体どれだけヤベエことになっているんだとびくびくしながら覗いてみたら……

……あれ?

以外にも出口近くの煙突内部は全然煤が付いていませんでした。

横向きの煙突部分に煤が付きやすいと聞いていたのでここが一番ひどいと思っていたのですが、全然でした。どうやら水が通るパイプ部分が煤のピークで、そこから先には全然煤が付いていないようです。

これは恐らくですが、煤が一番つきやすいのは「温度差が一番激しい場所=冷たい部分」なので、水が通っているパイプ付近に真っ先に煤が付いて、そのせいでその手前部部にも煤が詰まって行って、先の方には煤がほとんど残らなかった、と言うことなのではないかと思います。

となると、今後煤のメンテナンスは月一ぐらいでパイプ周りを行って、それ以外は1シーズンごと位で十分という感じにすれば問題なくボイラーが機能しそうですね。

②煤掃除の様子

煤掃除には、薪ボイラー作成時に一緒に購入したこちらのワイヤーブラシを使っていきます。

せっかくなので煤を集めようと思い、そこらへんに転がっていたゴミ箱の中に溜めつつ掃除をしていきました。

パイプ部分も無事パイプが露出するぐらいにまでは掃除することができました。後はこれでどれだけ沸く時間が短縮されるかですね。

建物に固定されている煙突部分は、点検口からブラシを突っ込んで掃除をします。煤の出口にゴミ箱を置いて煤を集めつつ掃除をしていきました。

最終的にこれだけの煤が集まりました。

煤の臭いですが、なかなかキツイ臭いで、明らかに炭や灰とは違う種類の成分が含まれていることが分かります。

似た臭いとしてはタバコが一番近いですがそれよりも腐った感じがあって、一番近いのは水が湛えられた中に吸い殻が一杯になった灰皿スタンドの臭いでしょうか……鼻が曲がるようなタールの腐ったような臭いです。

この煤に似た臭いを以前何かで嗅いだような気がしたのですが、そういえばアナグマ対策で使用した獣用の忌避剤が同じような強烈な臭いだったのを思い出しました。

こちらも「木タール」という木から燃焼抽出できるヤニ成分を使用した物だったので、実際かなり近い物なんじゃないかと思います。

と言う訳で、特に集めた煤の利用法も思いつかなかったので、忌避剤代わりにシカが良く来る場所に嫌がらせに撒いておくことにしました。

この地点、庭のすぐそばの斜面なのですが、シカが寝床に使用しているみたいで以前朝一で庭に出たらシカが4~5頭ブワッと逃げ出したのを目撃していますし、こうやって糞もめちゃくちゃ落ちているので、ここに煤を撒いてシカへの嫌がらせをしておきます。

これで近寄らないようになると良いんですけどね。でも獣は一度自分の縄張りとした場所に固執するから厳しいかもしれませんね。

③その後の薪ボイラー

煤掃除をしてから薪ボイラーを使ってお湯を沸かしてみたのですが、ビックリするぐらい調子が良くなりました。

まず火付きがよくなり、風の入りも、その後の炉内温度の上昇も、もう何もかも違います。

薪ボイラーのパイプ穴からポコポコ沸騰の泡が出てきたのを久しぶりに見た気がします。そして明らかにお湯が沸くスピードが速くなりました。

煤掃除をしたその日は、これまで1時間30分かかっていたのが40分ぐらいでお湯がアチアチに沸くようになりました。当然、消費する薪の量も全然違って体感3分の1ぐらいになりました。

これまでの苦労は何だったんや……もっと早く煤掃除しときゃよかった。

④まとめ

今回は調子が悪くなってきた薪ボイラーの性能を復活させるため、煙突の煤掃除をしていった様子をお伝えしていきました。

結果としては、やはり煙突内部の特にパイプに纏わりついていた煤が悪さをしていたみたいで、掃除をすることにより性能が2倍以上に向上したため、煤掃除の重要性を思い知らされる出来事となりました。

これほどまでに短期間で煤が大量にこびり付いてしまった背景としては、僕が使っている薪が十分に乾燥の済んでいない土地から拾ってきた枝とかを使用しているのも関係しているとは思いますが……それにしたってこんなにすぐ性能が煤によって落ちてしまうとは……。

今後、風呂釜も沸かせるようなもっと大規模な薪ボイラーを作成することもあるかもしれませんし、その際は煤掃除のこともちゃんと考えて設計しないとあっという間に使えなくなってしまう可能性もあるので、今回のことはいい経験になったと思います。

冬も残りわずか、復活した薪ボイラーを使い倒して何とか乗り切っていきたいと思います。

今回の記事は以上です。

また次回の記事でお会いしましょう。ここまでお読みいただきありがとうございました。