どうも、たかしです。
小屋暮らし予定の土地に付随してきた空き家の整備を進めていくシリーズ、今回はその第17回になります。
前回の記事では、空き家の庭に放置されていた廃タイヤをどのように処分したらいいのかを考えました。
その結果、「自分でタイヤからホイールを取り外し、タイヤの処分費用とホイールの買取費用で相殺する」のが一番経済的な方法なのではないかということが分かりました。
なので、今回の記事では自分でタイヤからホイールを取り外す方法を、実際に外している様子と合わせて解説していきたいと思います。
それではやっていきましょう。
シリーズ記事
【土地整備】空き家の整備 ①:納戸の片づけBefore・After
【土地整備】空き家の整備 ②:納戸を片付けて出てきた物を売ってみたら○○円になった
【土地整備】空き家の整備 ③:寝室の片づけBefore・After
【土地整備】空き家の整備 ④:空き家から出てきた衣服を売ったら○○円になった
【土地整備・検証】空き家の整備 ⑤:寝室から出てきた雑貨を売ったら○○円になった
【土地整備・検証】空き家の整備 ⑦:オフハウスの店舗間の格差がとんでもなかった話
【土地整備・検証】空き家の整備 ⑧:キッチン(後半)+風呂場の片づけ+とんでもない事態発生
【土地整備・検証】空き家の整備 ⑨:オフハウスの店員間の格差がとんでもなかった話
【土地整備・検証】空き家の整備 ⑩:空き家の使えそうな家具を売ったら○○円になった
【土地整備】空き家の整備 ⑪:空き家から出た粗大ごみを解体する……座椅子・布団編
【土地整備】空き家の整備 ⑫:空き家から出た粗大ごみを解体する……ソファベッド編
【土地整備】空き家の整備 ⑬:空き家から出た粗大ごみを解体する……棚・クローゼット編
【土地整備】空き家の整備 ⑭:空き家から出た粗大ごみを解体する……こたつ・食器棚・竹カーペット編
【土地整備】空き家の整備 ⑮:空き家の蛇口を修理する……蛇口の先からの水漏れの場合
①工具を準備する
タイヤとホイールはがっちりと固着されており、それを取り外すのは容易なことではありません。
そのため、ホイールを取り外すのには工具が必要になるのですが、必要最低限だと思われる工具を今回揃えましたのでそちらを紹介していきます。
1.タイヤレバー2本
タイヤレバーとはホイールを取り外すために必須の工具です。長い棒の先がスプーン状になっており、タイヤをホイールからめくりあげたり、ホイールをタイヤから引き抜く際に重宝します。
タイヤレバーには様々な種類があるのですが、今回アストロプロダクツ製の「タイヤレバー グリップ付 TL375」を2本購入しました。
こちら、YOUTUBE動画で手組みでのホイール交換の方法を配信されている方が絶賛されていた商品で、程よい長さと先の薄さ、そしてグリップの持ちやすさが高く評価されていました。
こちらの商品は二輪車のタイヤ交換用ということでしたが、使用してみた感想としては、車のタイヤにも十分活用できる頑丈さだと思いました。むしろほどよいサイズ感で取り回しがしやすく、使っていて大きすぎたり小さすぎたり感じることがないベストサイズでした。
一本税込み1,408円なので、二本で2800円の出費になります。結構高いですが、タイヤ取り外しを業者に依頼すると一本あたりの工賃が500円以上かかりますので、それを考えれば今回6本ホイールを取り外すわけですから、むしろプラスだと捉えることができます。タイヤレバーは一生使えますしね。
タイヤレバーは3本あった方が遥かにホイール取り外しが楽だという情報もあったのですが、今回は最低限の道具を揃えるということで2本のみ購入しました。
作業後に分かったこととしては、やり方次第でタイヤレバー2本でも取り外しは十分可能だということです。そのやり方については後程解説していきます。
2.パンダグラフジャッキ
今回は、ビードを落とす方法として「車載工具のパンダグラフジャッキを使う」案を採用しました。
車種にもよると思いますが、スペアタイヤが積んであるような車であれば、車載工具としてパンダグラフジャッキが備えられています。このジャッキを今回タイヤのビードを落とすのに使用します。
僕の愛車であるフィットはスペアタイヤを積んではいないのですが、なぜかパンダグラフジャッキだけは備え付けられていました。ジャッキは購入すると結構高い(4000円ぐらい)ので、我が愛車の神っぷりに感謝です。
※「ビードを落とす」とは?
車のタイヤは、「ビード」と呼ばれる一番内側の円周部分でホイールと固着しています。
ビード内には太いワイヤーが通っています。車のタイヤには自転車のタイヤと違いチューブが入っていませんが、このビード部がホイールの内側に強力に押し付けられ、みっちりと固着することによってタイヤ内部の空気が漏れ出ないようになっているのです。
なのでタイヤを取り外す際にはまずこのビード部をホイールから剥がし、ホイール中心部の窪んでいる部分に落とす必要があります。これが「ビードを落とす」ということです。
②ホイールを外す工程紹介
1.タイヤの空気を抜く
ホイールの取り外しにかかる前に、まずはタイヤ内の空気を抜いておきます。
タイヤがパンパンの状態では当然ホイールを外すことなどできませんし、空気の入った状態でビードを落としでもしようものならどうなってしまうのか分かった物ではありません。忘れることの無いよう、確実に最初に全てのタイヤの空気を抜いておきます。
タイヤの空気を抜くのに特殊な工具は必要ありません。
エアバルブの蓋を取るとその中に小さな突起があるので、ドライバーのような先の細いものでその突起を押してやると空気が抜けていくようになっています。
空気が抜けている間はずっと突起を押し続けてやる必要があるので若干面倒です。空気抜きの間別作業をしたい場合は、固定することによって放置で空気が抜ける道具があるようなのでそちらを使用すると便利かとは思います。
2.ジャッキを使ってビードを落とす
空気が抜けたらいよいよホイール外しの作業に取り掛かります。
ジャッキを使ってビードを落とすには色々なやり方があります。要はタイヤのビードを押し出すような形で、「固定されている物」もしくは「めちゃくちゃ重たい物」でジャッキをタイヤとの間に挟み込んでやればいいのです。
今回僕は、乗用車の下に設置して、パンダグラフジャッキでビードを押し出して落とす方法を採用しました。
他の方法としては、良い感じの溝幅の側溝を使う方法だったり、建物の縁で押さえつける方法だったりもあるようですが、なかなかいい場所が見つからないこともあると思います。乗用車であればほとんどの人が用意できるので、特に丁度いい場所を探さなくても実施可能と言うメリットがあります
しっかりとジャッキアップポイントにジャッキがかかった状態でハンドルを回していくとジャッキが上がっていき、それと同時にタイヤにジャッキが食い込んで少しずつビードが落ちていきます。
それでもビードは強固にホイールに張り付いているので、なかなかホイールの窪んでいるところまで落ちてはいきません。
では、どうやってビードが落ちたかどうかを確認するかというと、ビードが完全に落ちると「ボゴンッ」と結構大きめの音がして、明らかにタイヤがへこんでゆるゆるになったのが分かります。
これが「ビードが落ちた」状態です。
こうなったらジャッキを緩めて取り外し、タイヤに乗っかるようにしてビードの様子を確認すると、ホイールのくぼみにまでビードが落ちているのが確認できます。
裏側も同様にビードを落としたら、作業は完了です。
下記にビードを落とした時の動画も乗っけておきます。
乗用車とジャッキを使ってビードを落とす際には、いくつか注意点があります。
まず、ほとんどの乗用車は恐らくタイヤとジャッキを挟み込めるだけの地上高を確保できないということです。僕の愛車であるフィットは似非SUV仕様の車なので比較的地上高がある方なのですが、それでもタイヤを入れたら後はほとんど隙間が残らず、ジャッキを挟み込むことができませんでした。
そのため、上記写真のように合板を複数枚タイヤの下に潜らせて、丈をかさ増しする必要がありました。僕はたまたま端材の合板を何枚か持っていたからよかったのですが、かさ増しするための材料が手元にない場合は適度な段差のある場所を探す必要があるかと思います。
次に、ジャッキアップする際の設置ポイントをきちんと把握しておくことが重要です。ビード落としの時だけに限らず、車をパンダグラフジャッキで持ち上げる際には、きちんと指定の場所にジャッキをセットしないと大変なことになってしまうの注意が必要です。
フィットの場合であれば、図に示したようなジャッキアップポイントが前輪後輪左右の計4カ所にありますので、そこに食い込ませるようにしてジャッキをセットする必要があります。
僕は過去にジャッキアップポイントを勘違いして、車の側面フレームにセットしてしまってその部分をへし折ってしまった方の現場に立ち会ったことがあります。なかなかに悲惨なことになってしまっていましたので、ジャッキアップする際には確実にその車種のジャッキアップポイントがどこにあるのかを確認してから行うようにしましょう。
3点目は、こちらもジャッキアップそのものの注意点になりますが、ジャッキは確実にジャッキアップポイントに対し足が垂直になるようセットするということです。
画像を見ればお分かりになると思いますが、パンダグラフジャッキは横長の形状をしているため、横に倒れる危険性があります。そのため、ジャッキをポイントに対し平行にセットしてしまうと不安定になり、ジャッキアップ中に倒れる棄権性が増してしまい非常に危険です。
確実にジャッキとポイントが食い込み合って安定するように、ジャッキは垂直にセットするようにしましょう。
最後に、タイヤのビード落とし中にジャッキが斜めを向いた時には、外れてしまう危険性があるため一旦中止する必要があるということです。
ビードを落とすためジャッキを上げていると、タイヤがへこんでしまいジャッキ自体が斜めに傾いてきてしまうことがあります。
画像を見ると、タイヤが凹み若干ジャッキが斜めを向いてきているのが分かると思います。
これ位ならばまだ大丈夫なのですが、ここから更に食い込んでいき、それでもビードが落ちない時があります。それでも無理に食い込ませてビードを落とそうとすると、ジャッキが斜めに倒れて、同時に凄い勢いではじけ飛ぶことがあります。
なので、ジャッキが斜めを向いてきて「不味い」と感じたら、一旦ジャッキを外してまた別の場所でビードを落とすようにするといいです。一回でビードが落ちなくても、何カ所かで少しずつ落としていけば確実にビードは落ちますので、焦らないことが重要です。
2.タイヤをホイールからめくる
ビードを落としてタイヤとホイールの間に空間ができたら、次はタイヤレバーを使ってタイヤをめくり、ホイールの外側に出していきます。
めくり始める時は、バルブの付いている箇所から取り外していくと良いです。この箇所を後の方に回してしまうと、バルブの後ろにあるでっぱりが引っかかって取り外しづらくなってしまうことがあるみたいです。
タイヤレバーは先っぽが薄いスプーン状になっているため、タイヤの内側に引っかけてテコの原理でタイヤをめくり出すことができます。また、タイヤレバーは非常に頑丈で、タイヤを引っ張ってめくり出すのには相当な負荷がかかっているはずなのですが、全く折れたり曲がったりすることがありませんでした。
今後もタイヤレバーは、テコの力で何かを引っ張ったりめくったり、破壊したりするのに活用できそうです。
本来ならば、この二つのタイヤレバーの間の隙間にもう一本タイヤレバーを挟み込むことで、タイヤがめくり返って元に戻ってしまうのを防ぐことができ、作業がやりやすくなるのですが……
今回はその代用品として太めのプラスドライバーを間に差し込んでおきました。
間に差し込んでおく物は、頑丈な棒状の物であれば割と何でもいいので、わざわざタイヤレバーを3本準備しなくても作業は可能でした。
差し込んだドライバーの左右どちらかに向かって、どんどんタイヤをめくっていきます。少しずつめくっていって、めくれている部分が半分近くにまでなると……
後は手でバコッと取り外すことができます。こうなったらあともう一息です。
3.ホイールを取り出す
最後に、タイヤをめくった方とは逆側からホイールを取り外していきます。
まず先に、取り外す際にタイヤと引っかかる部分のホイール側面に、潤滑剤を塗っておきます。潤滑剤が無ければ洗剤なんかでも代用することができます。
タイヤレバーをホイールに引っかけて、タイヤを支点にテコの原理を利用しながらホイールを押し出します。
きれいなタイヤとホイールであればこれできれいに外れてくれるみたいなのですが、今回のようにホイールが錆びていたりホイールが劣化していたりすると引っかかってなかなか外れてくれません。
それで何回か試しているうちに、「タイヤレバーで押さえつつ、もう片方のタイヤレバーをホイールの穴を支点にして、タイヤとホイールを切り離すようにしてレバーを押し込んでいくと外れやすい」ということが分かってきました。力ずくで取り外そうとしてもびくともしなかったのが、こうしてペリペリと引きはがしていく感じで外していくとあっさり取れたので、この工程で躓いてしまっている人にはぜひともお勧めしたいです。
これにてホイールの取り外しが完了しました。
最初は一個取り外すのに1時間ぐらいかかってしまいました。ですが、コツを掴むとどんどん効率よく外せるようになってきて、最後の一個なんか恐らく15分もかからず、たいした力も籠めずに取り外すことができてしまいました。
③まとめ・次回予告
今回は、最低限の装備で自分でタイヤからホイールを取り外す方法とその様子についてお伝えしていきました。
最初はかなり苦労すると思いますが、慣れれば最低限の装備でも結構簡単に取り外すことができてしまいます。ただ、ジャッキを使ったり、テコの原理をフル活用したりと、自分の腕力以上の力が必要になってくる場面が多く、雑にやってしまうと危険な場面もそれなりにあります。
特にジャッキを乗用車で挟み込んでビードを落とす場合には、手順を間違ってしまうと乗用車まで破損してしまう可能性がありますので、慣れてきても横着することなく一個一個の手順を確認しながら作業を進めていく必要があります。
今回の僕の記事を見て、自分でもやってみたいと思った方がいらっしゃいましたら、どうか怪我をすることの無いよう、服装、装備、手順等々に十分気を付けて取り組んでみてください。
次回はいよいよ、解体したタイヤとホイールを全て車に積んで、タイヤ処分業者と鉄くず回収業者にそれぞれ持ち込んで行きます。
果たしてホイールはいくらで買い取ってもらえるのか? 買取代でタイヤの処分代を相殺することはできるのか?
ご期待ください。
また次回の記事でお会いしましょう。ここまでお読みいただきありがとうございました。