どうも、たかしです。
自作した3畳小屋にて現在Hisenseスポットエアコンを導入しているのですが、排熱ダクトを設置しただけだと直射日光+負圧による外気の流入によりなかなか室温が下がらず、猛暑日の午後2時には29.6度まで上がってしまいました。
そこで直射日光の影響を少しでも減らすため、天井には間仕切りのカーテンを取り付け、直射日光の影響が大きい扉の前によしずを設置したところ、室温上昇は28.8度まで抑えられ、外気温から3.5度下げることができるようになりました。
しかしながら、室温28.8の環境はお世辞にも快適とは言えず、スポットエアコンで3畳小屋内をキンキンに冷やす夢は未だ叶ったとはいえません。
そこで今回の記事では、もう一つの室温上昇の原因である「負圧による外気の流入」を何とかするため、「呼気ダクト」をDIYして取り付け、実際に猛暑日の日中に試した結果をお伝えしていきます。
今度こそ3畳小屋をキンキンに冷やすことはできるのか?
やっていきましょう。
※今回行うDIYはメーカー推奨のものでは無いため、危機に何らかの異常をきたす可能性があります。もしご参考にされる場合は、その点承知の上自己責任で取り行うようお願いいたします。
①呼気ダクトDIYの様子
1回目
まず最初は、壁パネルを断熱材のスタイロフォーム(30mm厚)の端材を使って代用し、75mm径のアルミダクトと、75mm径ダクト用換気キャップを組み合わせて呼気ダクトをDIYしていこうと考えました。
アルミダクトはかなりフレキシブルに曲げることができ、それでいてそこまで値段も高くない(1000円ほど)有用な資材です。
換気キャップも、75mmのダクトをそのまま挿して使えるうえ、換気部分は網目になっていて虫の侵入を阻むことができ、使わないときはプッシュするだけで蓋をすることもできるなかなか利便性の高い資材です。こちらも割と安価に手に入れることができます(400円ほど)。
壁パネル素材に断熱材を採用したのは、カッターで簡単に加工ができる上に柔軟性も高いうえ、当然断熱材なので断熱性も高く空気も通さないため最適な素材だと考えたためです。
呼気・排気ダクト共にキャップを断熱材に穴をあけてセットしました。
Hisenseスポットエアコンには吸気口が2カ所あり、上部はファンを回す際の通気口、下が排気口につながっているコンプレッサーにて熱交換をするための呼気口となっています。
フィルター付きの蓋を取り外して……
ビニール袋を通してアルミダクトへと繋げました。
さて、これら全てをセットして実際に回してみたのですが……全然ダメでした。
まず根本的に、コンプレッサー(熱交換で冷気を出すための装置)が起動後5分持たずに止まってしまうのでダメでした。
大体のスポットエアコンは、コンプレッサー内の温度が上昇しすぎた場合に安全装置が働いてコンプレッサーが停止するようになっていて、このHisenseスポットエアコンも同様に暑すぎる状況で使用するとコンプレッサーが停止することがあったのですが、今回は明らかにそこまで暑くない状況(室温32度ほど)でも、DIY呼気ダクトを取り付けた状態だとコンプレッサーが止まってしまったんですよね。
さらにこの後、呼気ダクトを取り外した状態で安定してコンプレッサーが作動している状況から、再び呼気ダクトを取り付けたらまたすぐにコンプレッサーが停止してしまったので、DIY呼気ダクトがコンプレッサーの停止に関係しているのは間違いないと感じました。
観察してみると、DIY呼気ダクトのビニール部分が、スポットエアコンを起動するとピタッと呼気口に張り付いてしまって著しく呼気を妨げてしまっている様子だったので、恐らくはそれがダメだったのだろうと思いました。
実際、スポットエアコンの取扱説明書にも「スポットエアコン周りには十分に空間を設けて作動させないと不具合が出ることがある」とあったので、今回のDIY呼気ダクトでは呼気口周りの空間が不十分だったのだと思います。
第二に、壁パネルの代替素材に断熱材を使ったのも失敗だと感じました。
断熱材は加工性・断熱性という面では非常に優れているのですが、ダクトを接続する際にどうしてもテープや接着剤に頼るしかなくなるので、接続面の強度という点で壁パネルの代替には適さないと思いました、
どれだけテープで補強しても、ダクト自体の重さでどうしてもテープが剥がれてきてしまうんですよね。上記画像のように針金でカーテンレールに引っかけて補強してもダメでした。
ちょっとでもテープが剥がれて隙間ができてしまうと、その隙間から熱気や羽虫がどんどん部屋内に侵入してきてしまうので、テープだけでダクトを固定するのは無理があると感じました。
2回目
二回目では、まず呼気口周りの空間を確保するため、針金とアルミシートを使って簡易的な「ダクトフード」を作成することにしました。
針金を使ってまずダクトフードの骨組みを作ったら……
アルミシートを被せ、テープで固定します。
空間を確保するため、下側はあえて密閉せずに開けておくことにしました。
側面にアルミダクトを差し込むことができる穴をあけて、ダクトフードの作成完了です。
今回は窓パネルの代替品に、12mm厚合板の端材を使用しました。
やはり合板は断熱材と同じように簡単に加工するとはいかず、例えばサッシに取り付ける切り込み一つをとっても1時間近くかかって何回もノコギリで慎重に削っていかなくてはいかないなど、かなり加工は大変でした。
ジグソーを使ってダクトキャップの形に穴をあけて……
ネジ止めをして固定しました。やはりテープでの固定と比べて圧倒的に強度は高くなりました。
全てをセットしてスポットエアコンを起動。無事コンプレッサーが停止することなく作動してくれました。
これにて呼気ダクトDIYは完了です。
あとはこれでどれだけ冷房効率が上がるか……実験していきます。
②検証結果
この日も、予想最高気温が38度の猛暑日に、外気温と室温の比較観測をしていきました。
観測する時刻は「午前9時」「正午」「午後2時」の3回、1つの温湿度計を外内両方に使い回す、若干の時間差は空いてしまっています。
それではみていきましょう。
午前9時
外気温は29.2度、室温は24.9度でした。
この日は朝方からどんどん気温が上がっていったのですが、明らかに以前呼気ダクト無しで検証した時よりも室温の上昇が抑えられているように感じました。
また、呼気ダクトを取り付ける前にあった負圧による外気の流入が明らかに抑えられていて、例えば以前はドアは最後まで締めなくても自然とラッチが締まってしまうぐらいだったのに対して、呼気ダクトを取り付けた後はちゃんと締めないと途中で止まる程度には外気の流入が抑えられていました(完全に無くなっている訳ではない)。
正午
外気温は32.5度、室温は27.1度でした。
この日は早くも正午の段階で以前検査した時の最高気温を上回る暑さだったのですが、それに対し室温は大きく抑えられていました。
午後2時
外気温は32.3度、室温は27.9度でした。
外気温は変化なし……というよりむしろ下がったのにもかかわらず室温は上昇し続けるという結果になりました。やはり直射日光により小屋が温められ、それに引っ張られての室温上昇の影響の大きさを感じました。
とはいえ、最終的な室温は前回・前々回の最高気温よりさらに下がり、何とか28度を上回らないぐらいまで抑えることができました。
③まとめ
今回はHisenseスポットエアコンにDIYの呼気ダクトを取り付け、外気流入を抑えた結果冷房効率がどれだけ上がるか試してみた結果をお伝えしていきました。
結果としては、一番最初の結果29.6度から2度近く下がった27.9度まで室温上昇を抑えることができ、室温を「キンキンに冷やす」とまではならなかったとはいえ、何とか普通にPC作業ができるぐらいの環境を整えることができました。
もちろん前回の記事でやった「天井空間に間仕切りカーテンを敷く」「よしずで直射日光を防ぐ」といった対策も併用してこの結果なので、直射日光対策と呼気ダクト両方を組み合わせることによって、大きく冷房効率を高めることができるのだということが分かりました。
ちなみに今回のDIY呼気ダクトでは、完全に外気の流入を抑えるということはできませんでした。
もしかしたら完全に呼気ダクトを密閉すれば外気の流入を抑えることができるのかもしれませんが、そのためには以下の点に注意する必要がありそうです。
- 十分に呼気を確保できるような空気量・空間を確保できないとコンプレッサーが停止する可能性がある。
- ダクトの太さが75mm径では不足かも。排熱ダクトと同じ150mm径は準備した方がいいかもしれない。
今後これ以上の外気流入を抑えるための措置を僕がするかというと……まあとりあえずは猛暑日でも室内で作業ができるぐらいの環境を手に入れることができたので、一旦ここまでで止めるつもりでいます。
それに外気の流入はそれ自体完全に悪いことだけではないと僕は考えていて、室温が上昇しすぎて35度とかになっていたらむしろ外気が入ることで室温を下げることができますし、外気が入るということは勝手に換気ができているということでもあるでしょうし。
そのため、今年の夏は一旦この環境で乗り切りたいと思います。皆様もどうか熱中症には気を付けてご自愛ください。
ちなみに、最初から呼気ダクトがついて来て、専用の窓パネルまであって、なんと暖房機能まで付いてくるスポットエアコンをトヨトミさんが出してくれていますので、これからスポットエアコンを導入しようとしている方はこんなめんどくさいことしなくても最初からこちらを購入することをお勧めします。
ちょっとお高いのと、僕は窓パネルの高さの関係から断念したのですが、今回みたいに結局窓パネルDIYするなら別にこちらを買っておけばよかったな~と思っています。
以上で今回の記事は終わりです。
また次回の記事でお会いしましょう。ここまでお読みいただきありがとうございました。