どうも、たかしです。

小屋暮らし予定の土地に付随してきた空き家の整備を進めていくシリーズ、今回はその第47回になります。

今回の記事で考えていきたいのは「空き家に残された大量の灯油」についてです。

空き家の玄関口にある物置を掃除している時に、灯油用ポリタンクが3つ出てきたのですが、なんとその内の一つに半分ぐらい灯油が残されていたんですよね。

それに加えて、空き家内には他にも屋外灯油タンクが一つと、風呂釜用ボイラーの灯油タンクが一つあり、計3つのタンクに灯油が残されていることが最近分かりました。

屋外の灯油オイルタンク。非常に大きく、容量は198Lもある。
風呂釜ボイラー用灯油タンク。容量はそれほどないが、油量計を見るとまだ1/3ほど残っていることが分かる。

今回はこれら空き家に残されていた大量の灯油について、どのぐらい余っているのか、どのような状態なのかについて調べ、今後どのように取り扱うかを考えていきます。

それではやっていきましょう。

①一般的な灯油の使用期限について

僕自身暖房はこたつとエアコンぐらいしか使ったことが無いので知らなかったのですが、一般的に灯油と言うものは「その年の内に使い切る」「余った灯油は来年に持ち越さない」のが基本なようです。

以下のような状態の灯油は「変質灯油」と呼ばれ、使用すると暖房機器に異常が発生する場合があるようです。

変質灯油の特徴
  • 色が黄色く変色する
  • すっぱい臭いがする

また、水や他の油(軽油・ガソリンなど)と混合してしまった物は「不純灯油」と呼ばれ、こちらも使用すると危機に異常をきたす場合があるようです。

今回の調査では、空き家に残っている灯油にこれら「不良灯油」と呼ばれるものの特徴が出ていないかどうかをチェックしていきます。

②各灯油の状態・残量チェック

調査に際しては、空き家に残っていた電動ポンプで透明なプラスチックコップに灯油を移して観察していきます。

この電動ポンプ、発掘した当初からなんと電池が生きており、何の問題も無く作動しました。出し口に出し過ぎ防止機能が付いており、ガソリンスタンドの給油ノズルのように出し口に灯油が触れた瞬間に停止トリガーが自動でかかるという優れものになっております。

1.ポリタンクの灯油

ポリタンクの灯油は、見た目もにおいも何の問題も無さそうでした。

見て分かるように無色透明。臭いも特に酸っぱさも無く、若干薄めのガソリンと似た臭いがします。

余談になりますが、僕ガソリンの臭い大好きなんですよね。幼少期にガソリンスタンドで給油中に給油口からガソリンの臭いを夢中で嗅いでいた時に、店員のお姉さんが引きつった笑いで見守ってくれていたのを思い出します。

残量は、20Lポリタンクの大体半分くらい……つまり10Lほどでした。

2.屋外タンクの灯油

こちらはポンプが届かなかったので、下の方にある取り出し口から灯油を回収しました。

見た目は無色透明で問題なさそうですが、臭いが若干ポリタンクの物より淀んでいるような感じがするのと、細かいゴミが少し浮いているのが気になりました。

ただ、酸っぱい臭いでは無かったので変質灯油とまで言えるかどうかは微妙なところです。

中身を全て20Lポリタンクに移したところ、大体容量の1/3ほどの6Lぐらいが残っていました。

3.風呂釜ボイラーの灯油

こちらも色は無色なのですが、若干ゴミが浮いているのが気になります。

臭いはポリタンクの物と同じく特に問題は感じられませんでした。

こちらも残量は20Lタンクの1/3ほど……6Lありました。

4.状態・残量まとめ

総じて、空き家に残っていた灯油に変色や酸っぱい臭いは認められず、多少のゴミさえ取り除けば使用に耐えうるのではないかと感じました。

残量は合計で20L以上残っていることが分かりました。現在の灯油価格相場が1800円/18Lほどのようなので、2000円超えるぐらいの価値の灯油が残っていることになります。

③使用実験

1.使用機器紹介

いきなり暖房機器で使用するのは怖かったので、まずは小規模な実験を行うためにDCMの「オイルランタン」を購入して使用してみることにしました。お値段は2000円ほどです。

こちらのオイルランタンは非常に単純な構造になっていて、下部のタンクに灯油をいれて、染み込んだオイル芯に火をつけて使用するだけの物となっています。

これなら複雑な機構はないため、異常が出ても芯を交換するだけで済むため被害も少なく済みます。リスクを抑えつつ灯油に異常が無いか調べるのに最適な機器だと思います。

2.灯油採取・準備

実験には、一番臭いが悪くてゴミも若干浮いている屋外タンクの灯油を使用します。

採集に際しては、漏斗に排水口ネットを装着したものを使用してゴミをある程度取り除いておきます。

ランタンのタンク容量丁度の200mmLを採集しました。見た目には非常に綺麗な灯油を集めることができました。

こちらの灯油を用いて、いよいよランタンで実験をしていきます。

3.着火・経過観察

オイル芯に灯油がしみ込むまで、30分~1時間ほど待ってから……

着火!

レバーを戻し、摘みをひねって煤がでないよう火加減を調節したら実験準備は完了です。

この状態でしばらく放置し、問題が出ないかどうかを確認してます。

ちなみに光量はこのぐらい。こちら灯りも何もない+窓もない真っ暗な風呂場ですが、薄っすらとランタン周りが照らされる程度の光量があります。

まあ、正直なところ灯りとしてはほとんど役に立たないと思います。こういうのはほとんど雰囲気づくりのためにあるようなものですね。

④実験結果

空き家に残っていた灯油をランタンで試してみた結果、特に問題なく使用することができました。

2~3時間ぐらい連続で使用しましたが、特に火が極端に燃えたり、逆に消えづらかったりすることも無かったですし、変な臭いが出たりもしませんでした。単純な機構の機器で使用する分には、空き家に残っていた灯油は特に問題なく使えるようです。

こちらの空き家は、少なくとも5~6年は放置されていて、灯油もそれ以上の年月は放置されていたはずなのですが特に問題なく使用できたのは驚きでした。おそらく、灯油がきちんとしたポリタンクやオイルタンクに密閉された状態で保管されていたため、長い年月放置されていても変質することは無かったのだと思います。

実際、灯油が変質してしまう事例としては、灯油用でないタンクや家電品無いのタンクに入れっぱなしにしていた物が悪くなりやすいという記事もありましたので、逆に言うとしっかりとした容器で保存していれば1年経っても灯油はそこまで変質しないということなのではないかなと。

ですが、灯油の変質具合は素人目には判断しづらいということのようですので、年をまたいだ灯油の使用には慎重になるべきですし、使用する場合には自己責任の元、まずは小規模なもので試してから使用することをお勧めします。

僕も、今後はオイルランタンに異常が無いことを十分確認してから暖房機器などへの使用を検討したいと思います。

以上で今回の記事は終わりです。

また次回の記事でお会いしましょう。ここまでお読みいただきありがとうございました。