どうも、たかしです。

小屋暮らし予定の土地に付随してきた空き家の整備を進めていくシリーズ、今回はその第70回になります。

今回は前回記事に続いてタイヤのホイール取り外しの様子と、合わせて3日目の布団類の片づけの様子などをお伝えしていきます。

タイヤホイールの取り外しに関しては、以前空き家の庭に放置されていたタイヤの時にもやったことがあるためち知識も道具も十分で簡単に取り外しできると思っていました。

ですが、やはり長年土に埋まってしまっていたためか以前のタイヤよりも劣化が遥かに激しく、想定以上に手間取ってしまう事態となってしまいました。

今回の記事では、劣化が激しくなるとなぜホイールの取り外しが困難になるのか、そしてその状況をどうやって打破したのかなどについてお伝えしていきます。

僕同様、劣化の激しいタイヤのホイール取り外しに困っているという方の参考になればと思います。

それではやっていきましょう。

①空気を抜く、チェーンを取る

まずはホイールを取り外す前に色々と前準備をしていきます。

これだけ劣化しているタイヤなら空気ももう入っていないのではないかと思いきや、かなりがっつり入ってました。タイヤの密閉性って凄いですね。

チェーンも錆び錆びだったので外すのにかなり苦労するかと思ったのですが、割とあっさり外れました。

もちろん鉄くずの方に回しておきます。

②ビードを落とす→問題発生

タイヤのホイールを取り外す方法としては、以前庭にあったタイヤを解体する際にも説明したので詳しくはそちらをご覧いただきたいのですが……

ホイールを取り外すためには、まずはホイールとタイヤが密着している部分である「ビード」という箇所を落とし込ませ、ホイールとタイヤの間に隙間を作る必要があります。

※「ビードを落とす」とは?

車のタイヤは、「ビード」と呼ばれる一番内側の円周部分でホイールと固着しています。

タイヤの構造(引用:https://ll-international-trade.com/archives/7993

ビード内には太いワイヤーが通っています。車のタイヤには自転車のタイヤと違いチューブが入っていませんが、このビード部がホイールの内側に強力に押し付けられ、みっちりと固着することによってタイヤ内部の空気が漏れ出ないようになっているのです。

なのでタイヤを取り外す際にはまずこのビード部をホイールから剥がし、ホイール中心部の窪んでいる部分に落とす必要があります。これが「ビードを落とす」ということです。

この「ビード」を落とすための方法はいろいろあるのですが、僕は車載工具によくある「パンダグラフジャッキ」を使い、車の重量で地面との間にタイヤを挟み込むことでビードを落とす方法を使っています。

以前の参考動画

車の重量を用いてビードを落とすためには上記画像のように、車両の下部にあるジャッキスポットと地面までの間にタイヤとパンダグラフジャッキが収まるぐらいの高さが必要となります。

僕の愛車である「フィットクロスター」は一般的な車よりも地上高が高い方ではあるのですが、それでも全然足りないため板を挟み込んで高さを上げています。

前回のタイヤの時は広い板だけで足りていたのですが、今回はタイヤが前回と比べてかなり太いものになっているので、その分追加で細長い板を上乗せしてあります。長時間やるとタイヤが傷みそうなので、あまりお勧めはできません。

さて、早速ジャッキアップしていってビードが落ちるかと思ったのですが……

全然落ちませんでした。

ここまでひしゃげていて、ジャッキも限界まで上がっているのにどうしてもビードが落ちません。かなりぎりぎりまで落ち込んではいるのですが、あと一歩が足りない感じでした。

その後、ジャッキで落とすポイントを変えたり、もう一度同じところでやったりと手を変え品を変えやってみたのですが駄目でした。

どうやら調べてみたところによると、経年劣化が進んでタイヤのゴムの柔軟性が失われるとホイールの取り外しがしづらくなるのはあるあるなようです。弾力が無くなることによって力が伝わりづらくなり、更にホイールとの固着が進むことによるダブルパンチによってホイールが外れにくくなるようですね。

この日はいったん終了し、一旦帰ってから打開策を講じることにしました。

③3日目 再びビード落としにチャレンジ

翌日、色々とホイール交換について調べ、2種類の策を講じてビード落としに再チャレンジしました。

打開策の一つ目は「タイヤの温度を上げてからチャレンジ」することです。

タイヤはゴム製ですから、温度が上昇することで柔らかくなります。実際の業者によるタイヤ交換の場でも、事前にタイヤを車のトランクに入れて温めておいてから交換するということも行われているらしく、これはかなり有効な打開策となる予感がします。

しかし、現在は冬真っただ中。トランクに入れておいても大して温度が上昇することも見込めないので……

お湯を沸かしてぶっかけることにしました。

画像の鍋やポータブルガスコンロは全て空き家にあったもので、いつか使う機会があるだろうと取っておいていました。

ガスコンロが問題なく使用できることは確認済みですが、やはり万が一があっては怖いので開けた場所に設置して温めることにしました。

ですが、気温5度の環境下で、ポータブルガスコンロでお湯が沸くまでにはかなり時間がかかります。

なのでその間にもう一つの打開策を先に試すことにしました。それは「車内に重石を載せて、押しつぶす重量を上げる」という方法です。

これは僕が筋トレにハマっている時に購入した「可変ダンベル」になります。

マックス重量はなんと40.5kgまであり、しかもそれが2つあります。これを車内に載せておくだけで成人男性一人が車内に乗っているのと同じ重量を出すことができるため、ジャッキで抑え込む際の力もその分上がるはずです。

ただ、一つ心配なのは「パンダグラフジャッキの荷重量の限界」です。

車載工具の記載には700kgとあり、フィットの車両重量が大体1300kgなので、その半分がジャッキにかかるとしてもすでに650kgもの重量がジャッキにかかっていることになります。すでに限界ギリギリだというのに、そこにさらにダンベル分が足されてしまったらジャッキが壊れてしまう可能性があります。

なので、いきなり2つを乗っけるのではなく、まずは一つ目から試してビードを落としてみることにしました。すると……

はい、落ちました。

割とあっさり行きましたね。どうやら本当にあと一歩だったのか、それとも一晩経ってタイヤの状態が変わったのかどうかは分かりませんが。

ビードが落ちている部分のアップになります。タイヤの一番内側の部分が、ホイールの一段下がった溝の部分に落ち込んでいるのが分かるかと思います。

お湯、無駄になっちゃいましたね。適当に庭に撒いておきました。

タイヤ自体はやはり相当劣化がすすんでしまって弾力が失われており、ジャッキをどけてもその部分がへこんだままになっていました。

ゴムが裂けて、中のワイヤーが露出してしまっています。こういう構造になっているからタイヤは一般ごみには出せず、専門の業者に処分費を払って引き取ってもらうしかない厄介なゴミとなっているんですね。

④ホイールの取り外し→更なる問題発生

さて、ここからは既に所有しているタイヤレバーやバールなどを駆使してホイールを取り外すだけだと思っていたのですが……

なんとここでまたまた問題が発生します。

激しく劣化していたタイヤの一つに、「なぜかビード部だけが裂けて取り外されていて、結果ホイールと完全に固着してしまった」物があることが判明したのです。

どういうことか分かりづらいと思うので実際に見てもらうと……

こちらです。

ホイールの両側のリム部分の内、左側にゴムが張り付いてしまっているのが分かるでしょうか?

これ、本来であればへこんだ部分に落として取り外すはずのビードが、何が原因かは分かりませんがその部分だけが裂けてタイヤから離れてしまっていることでもうどうにも取り外せずにホイールにくっついてしまっているんですよ。

まさか空き家の元住人がこんな余計なことをしたのだとは思いませんが……自然に裂けたにしてはあまりに不自然です。

これの何が問題かって言うと、本来なら車の何百キログラムという重量を利用して落とすはずのビードが、こうなってしまったら他の方法で取り外すしかないということです。

バールやドライバーで引きはがそうとしても、ハンマーで叩いても、どうにもなりません。人の腕力だけでビードを取り外そうとするのは到底無理があります。

ハンディ鋸でゴムを引き裂こうとしたのですが、ビード部のワイヤーに阻まれてこれ以上は鋸が入っていきませんでした。ワイヤーを何とか切断しようと1時間以上鋸で粘ったのですがご覧の有様です。

ワイヤーの頑丈さももちろん厄介なのですが、真に取り外すのを困難たらしめているのはこのワイヤーの位置ですよ。

こんなくの字に折れ曲がった奥深くにワイヤーがあるもんだから、鋸が入っていかないし、バールで引っ張ることも不可能。もう完全に詰んでいます。

この日は残念ながらここで諦め、また次善策を練ることにしました……。

⑤次回、まさかの4日目へ……

今回は庭から出たゴミの片付けの様子の2・3日目、タイヤホイール取り外しとの激闘の記録をお伝えしてきました。

結果として強く実感したのは、劣化しまくったタイヤのホイール取り外しはあり得ないぐらいの重労働ということです。

これでも僕、以前タイヤホイールを6個も自分で取り外したことがあるのあって、かなり手馴れている方だと思っていたんですよ。6個取り外していく中で、最初は1個取り外すのに1時間かかっていたのが、最終的には15分くらいで済むようになっていましたし。

それなのに、今回の劣化しまくったタイヤのホイール取り外しには1個につき軽く3時間はかかってしまっています。しかもまだホイールにこびりついたビードは取り外せてないし……。

もしも持て余しているホイール付きのタイヤがあったとして、それをそのまま使うあてもないのに放置するのは全くお勧めできない行為だと言えますね。自分で取り外すにしてもそうですし、下手したら専門の業者に依頼しても追加で料金がかかるようになってしまう可能性すらありそうです。

とにかく、「使う予定の無い物はさっさと処分する」ことがやはり重要ですね。取っておいたとしても劣化してしまって後々更に厄介なゴミに変貌してしまうだけです。

僕ももう全く使わなくなった筋トレグッズ処分しなくちゃな……ダンベルは今回役に立ったけど

という訳で次回「4日目、タイヤとの決着及び片付け完了編(予定)」へと続きます。

また次回の記事でお会いしましょう。ここまでお読みいただきありがとうございました。