どうも、たかしです。

前回の記事では、空き家の「キッチン」「風呂場」だけに電気が通っていない原因を探るため、天井裏を覗いて電気配線を追っていった様子をお伝えしました。

間取り図の赤斜線が断線している場所

その結果、「ナゾの空間」から見えるキッチン側の天井裏にあたる場所に「居間」からきた配線が「寝室」「キッチン」「風呂場」各場所へ分岐する「ジョイントボックス」があるのを見つけ、ここに何かしらの要因があるのではないかという推測を建てるに至りました。

右の居間側からきた配線が、上の寝室、左のキッチン・風呂場へとそれぞれ分岐しているのが分かる。
ジョイントボックスの中はこんな感じ。素人にはよく分からない。

これ以上の手出しは素人には危険だと判断し、小屋暮らし予定地近くの電気屋さんに電話し、原因の検査と修理する場合の見積もりを依頼しました。

今回の記事では、電気屋さんが空き家へとやってきてどんな作業をしていったのか、またどのようなことがあったのか、そして肝心の断線は解消されたのかなどなどをお伝えしていきます。

それではやっていきましょう。

①当日検査の様子

電話で予約した時間帯に、検査の依頼をした電気屋さんとその電気屋さんと提携している電気工事士の方の合計2名が空き家へとやって来ました。

まずは簡単に現在の状況を説明した後、僕が怪しいと睨んでいるジョイントボックスの方へと案内すると、早速その中を電気工事士の方がチェックを始めました。

この謎スペースは、猫の頭蓋骨が転がっているぐらいのなかなか足を踏み入れるのに勇気がいるスペースなのですが、流石はプロの業者さん、何の迷いもなく屋根裏へと顔を覗かせていきます。

基本的に電気配線をいじるのは電気工事士の方で、電気屋さんの方はそちらの方の作業のサポート担当といった感じで作業が進んで行きました。

屋根裏からでは見えない照明やスイッチの位置を説明したり、スイッチのオンオフをしたり、コンセントや照明の通電チェックをしたりといった作業を青い服の電気屋さんが行い、配線には鼠色の作業着の電気工事士しか触れていませんでした。

配線には電気工事士の資格のある方しか触れないという決まりがあるのですが、電気屋さんは電気工事士の資格を持っていないということなんですかね?

現在僕は電気工事士2種の資格取得目指して勉強中ですが、資格自体は割と誰でも取れる物なので電気屋さんだったら持っていそうなものですが。

まあ、持ってはいるけどあくまで役割分担ということで、配線に関してはより詳しい専門の方に任せているということのなのかもしれません。

②検査の結果

結論から言うと「キッチンと風呂のコンセントに電気を通すことは不可能ではないが、安全のためお勧めできない」ということでした。

電気工事士の方が作業中しきりに言っていたことが「配線がめちゃくちゃ」「どう見てもプロの仕事じゃない」とのことで、そんなめちゃくちゃに配線されている物を補修して通るようにしたところで後々問題が起きた時に責任を持てないのでそんな作業はできないということでした。

その「めちゃくちゃな配線」の一つの事例として示されたのがこちらの配線で、これは電線が屋根裏で三又に分岐されている部分なのですが、本来屋根裏のこのような分岐はジョイントボックスを設置しその中で行うのが当たり前とのこと。

また、余計な分岐や必要のないつなぎ方をしている箇所も多いらしく、これらの配線を修理してまともに使えるようにするぐらいなら一から配線を引き直してしまった方がよっぽど安全だし確実だということを言われました。

まあ、配線の煩雑さをみているとそんな気はしていましたが、やはりこの電気配線はもと空き家住人がDIYで継ぎ足し継ぎ足しで組んでいったものの可能性が高いようですね。

電気工事士の方からすると、素人が組んだ配線に手を出すというのはやはり嫌なようで、何か問題が起きた時に責任を取れないと、なのでどうしても線を引きたいのであればブレーカー地点から新しくキッチンと風呂場への配線を引く方法の方がおススメだと言われました。

③その他、今回の作業のハイライト

1.照明になぜか50Vしか来ない問題

こちらはキッチンにある照明の一つなのですが、この付近にあるスイッチをオンにして通電を確認したところ、なぜか50Vしか来ていないという珍事が判明しました。

電気屋さんも首をかしげており、なぜ50Vしか来ていないのかは結局謎のままでした。電気工事士さんも、キッチンにあるスイッチの配線が屋根裏からでは確認できないらしく、一体どんなつなぎ方をされていてそんなことになっているのかは不明とのことでした。

2.この家は40a契約が今のままだとできない

これは電気屋さんの方から言われたことで、どうやらこの家に通っている配線の関係上、今後40a以上の契約にしようとした時には配線全てを取り換えるぐらいの大規模な工事をしないと契約を変更することができないとのことでした。

この空き家のみならず、築古の物件はほとんどが30aまでしか電気を通せない「単相2線式」の配線が通っている場合がほとんどらしく、40aの電気を通すためには「単相3線式」の配線に工事して取り換える必要があるらしいのです。

また、単相2線式だと200V電圧が必要な機器(エアコンやIHクッキングヒーターなど)が使用できないデメリットもあるようです。

3.漏電ブレーカーを設置した方がいい

こちらも電気屋さんの方から言われたことです。

以前空き家に電気を通した時にも電力会社の方から言われましたが、やはり築年数が古く、配線もこのような状況である以上、漏電のリスクは非常に高く、漏電ブレーカーの設置は必要であるということでした。

どれぐらいかかるか聞いてみたところ、この単相2線20aの状態のままとりつけるのであれば3万円ぐらいかかるとのことでした。

4.電気屋さんがキッチンの床をぶち抜いた

作業中「ズドォォォォン!!」という物凄い音が鳴り響き、もしやと思い駆けつけると、電気屋さんが思いっ切りキッチンの床板を踏み抜いていました。

電気屋さんはめちゃくちゃ動揺した様子で「本当に申し訳ない」とひたすら謝っていましたが……どう考えても空き家の床板が腐っていたせいですね。

むしろ申し訳ありませんって感じでしたね。電気屋さんに怪我が無くて本当に良かった。

なんと言ってもこの日電気屋さんたちが帰った後にキッチンのリフォームのため床板を全て剥がす予定でしたから、むしろ手間が省けたといったところでしょうか。

ていうか、リフォームを済ましてから電気屋さんを呼んだ方が良かったのかも。

④まとめ

今回は電気屋さんに空き家の配線の検査を依頼し、実際に見てもらって修理可能かどうかを判断してもらうまでの様子をお伝えしていきました。

結論としては、今現在設置されている配線を補修して使用するのはお勧めできないということで修理には至らなかったのですが、今回のことを踏まえて電気屋さんには以下の工事の見積もりを出してもらうことにしました。

  • 新しく風呂場とキッチンに2穴のコンセントを各1カ所ずつ配線する場合の費用
  • 漏電ブレーカーの設置費用

僕の考えとしては、まずほぼほぼ漏電ブレーカーを設置するのは決定事項ということで、後は新規でコンセントを引くことにするかどうかは費用と相談してから決めるといった感じですね。

まずは安全が第一ということで、正直風呂場とキッチンのコンセントが使用できないとかなり厄介ではあるのですが、そこのところは居間と寝室のコンセントでやりくりすることで何とかすることも可能ですからね。

新規のコンセント配線ぐらいだったら、僕が電気工事士2種の資格を得てからでも恐らく配線できないことはないと思いますし、現状すぐに業者に依頼して新規に配線するかどうかは本当に費用次第といったところです。

1配線につき1万円以下ぐらいだったらまあ引いてもらってもいいかなと言ったところでしょうか。でも昨今銅線の値段も高騰しているみたいですからね……どうなることやら。

また今後、見積もりが出ていよいよ工事を依頼する段になったら、空き家の電気事情がどのようになったのかまた記事を投稿したいと思います。

今回の記事は以上となります。

また次回の記事でお会いしましょう。ここまでお読みいただきありがとうございました。