どうも、たかしです。

小屋暮らし予定の土地に付随してきた空き家の整備を進めていくシリーズ、今回はその第90回になります。

今回は前々回の記事で排水管を掘り返して発覚した、地面垂れ流し状態の現在の排水状況を改善するため、排水に「浸透桝」を組み込むDIY工事の計画を立てていきます。

現状空き家では、洗濯機やキッチン、風呂場から流れてきた排水はこの庭を横断するように設置された排水溝を通って、土地の端の斜面に向かって垂れ流されるように放流されています。

前回の記事で「浄化槽法」・「水質汚濁防止法」などを参照して確認したように、このような排水方法でも一応法に触れることはなく問題ないともいえるのですが、この斜面のすぐ下った先は別の方の所有地となっており、あまり大量の排水が流れてしまうのはよろしくないように思えます。

そのため、現状をそこまで大きく変えないまま排水が隣地へと流れ出てしまわないようDIYで工事できる何かいい方法はないかと色々調べた結果、「浸透桝」を使った排水方式が良いのではないかと思い当たりました。

今回の記事では、「浸透桝」とはどのような排水設備なのかの、それをDIYでどのように設置していくのかの計画についてご説明していきます。

それではやっていきましょう。

①「浸透桝」とは?

「浸透桝」は、流れてきた排水を一時的に貯蔵し、桝の底に敷いた砂利や砕石などの層から徐々に地下へと排水を浸透させていく設備になります。

一般的に街で見かける「浸透桝」なんかは雨水の処理に使われていることが多く、戸建てや集合住宅の庭地なんかに「雨水」と書かれた小さなマンホールのようなものを見かけたことがあるかと思います。

この「浸透桝」は、構造的に見た時には地面に排水を垂れ流して浸透させているのと同じであり、基本的に下水道が通っている地域では雨水の処理用以外で使用されることはありません。

ですが、下水道が通っておらず、かつ排水を流せるような側溝が敷地に面していないような土地においては雑排水の処理に使用されることもあります。

浸透桝の構造は、透水シートで囲まれた砕石の層が大きな貯水層となって一時的に排水を貯め込み、そこから時間をかけて排水を地面に浸透させていく仕組みになっています。

どれだけの排水を貯蔵できるようにするかは砕石層の容積に依存するため、浸透桝を作る際には自分が輩出することになるであろう排水の量から考えて砕石層のサイズを調整する必要があります。

浸透桝はその構造上、砕石層を超えて排水が行わた場合には溢れてしまうことがあるため、その対策としてオーバーフロー時の排水を用意しておくことも必要となります。

②DIY工事の計画

1.浸透桝の工事計画

DIYでの浸透桝設置には、ホームセンターで購入できる「溜枡」と「砂利」、そして透水シート代わりに「防草シート」を使用します。

浸透桝の材料としては他に軽量・頑丈で扱いやすいポリプロピレン製の物もあったのですが……

商品ページ(モノタロウ)「雨水浸透ます

こちらはブロック製の物と比べて価格が3倍近くかかってくるのと、パイプを通すための穴を「ホールソー」というドリルビット(小さな穴サイズでも2000円近くする)を別途購入する必要があり、設置費用がかなり割高になってしまうので今回はブロック製のものを採用しました。

設置計画としては、空き家の排水が集結していた側溝との接続地点に穴を掘り、底に防草シートを敷いたのち砂利を投入、溜枡を設置して完成……といった感じになります。

元々あった側溝については、オーバーフロー時の排水として活用する計画です。

2.排水路の工事計画

浸透桝に排水を流すための排水路に関しては、できるだけもともと空き家にあった材料を使用しつつ作成していく計画です。

具体的には、まず空き家の雑排水に当たる物は「キッチン・洗濯機・風呂」のなので、これら3種類の排水をまずは1つの排水として結集させます。

結集のさせ方としては、空き家に残されていた風呂桶を「排水集結エリア兼風呂場」として使用し、風呂桶の排水口からホースで浸透桝まで排水を引っ張っていくつもりです。

おあつらえ向きに、風呂場から取り出した風呂桶にはもともとボイラーが接続されていた穴が2つあるので、これをそれぞれ洗濯機とキッチンの排水ホースに繋げれば、全ての排水を1カ所に集結させることができます。

排水の経路はこんな感じになります。

風呂桶から浸透桝へつながる排水ホースには、もともと洗濯機の排水ホースとして使われた物を流用します。

こちらのホースなら長さも十分ですし、特に穴が開いていたり割れていたりといった劣化もありませんでしたので十分使用可能だと思います。

その他工事に必要なものとして、以下の物を購入しました。

  • キッチンの排水ホース(8m)
  • アルミクラフトテープ
  • キッチンホースの接続部品
  • タガネ(溜枡に穴を開ける用)

キッチンの排水ホースは、キッチンから風呂桶までを接続する必要があるためかなり長くなり、その分費用も嵩んでしまいました。(1m単価420円ほど×8=3300円近く)

アルミクラフトテープは、以前トタン外壁の補修時に使用して失敗した廉価品ではなく、重ね張りも可能な高級版です。その分50m巻で2200円ほどとかなりお値段はしましたが……その活躍に期待したいところです。

キッチンんホースの接続部品は、六角ネジ部分が独立して回るちょっとお高い物を購入しました。

もともと空き家のキッチンに接続されていたネジが、六角部分が独立していないホースと一緒に回るタイプだったのですが……

これが取り外す時にめちゃくちゃ回しづらくて、ホースごとねじれてしまうためホースが傷んでしまうので、今回独立式のものを購入しました。

少しお高いですが、まあ100円ちょっとの課金で取り回しが良くなるならばその方がいいかなと。

タガネはコンクリート製の溜枡に配管用の穴をあけるのに使えるらしく、もしそれが可能なら穴あけのドリルビットを買うよりもかなり費用が抑えられるため、まずは試してみたいと思います。

③まとめ

今回は、空き家の排水を「浸透桝方式」にDIY工事するための計画を立てていきました。

浸透桝のDIY設置についてはかなり多くの人がやっているみたいで、YOUTUBEにも実践動画がたくさん出回っているため計画を立てるのにとても便利でした。

まあ、穴掘ってシート張って砂利と溜枡を埋めるだけですからね。特殊な工具も必要ないため、浸透桝はかなりDIY向けの排水設備だと言えます。

もし今回の工事が上手くいったら、今後他にも水はけを良くしたい場所が出て来た時にどんどん設置してみてもいいかもしれませんね。

今回の排水設備工事が終われば、いよいよ後は土地引き渡しまですることがほとんど無くなります。どうかうまくいくことを祈るばかりです。

以上で今回の記事は終わりです。

また次回の記事でお会いしましょう。ここまでお読みいただきありがとうございました。