どうも、たかしです。
つい先日、大学時代同じサークルに所属していた先輩から「寄席などで使用するめくり台をたかしのDIY力で作れないか?」とのご依頼をいただきまして……。

調べてみたらこういうのって、木製の簡単な作りで安い品ってネットショップでも中々ないし、逆にしっかりした作りの奴は1万円超えて来るしで、思いのほか簡単に手に入らないんですね。
こういうイベント用品だとレンタルできるサービスもあるのですが、パッと調べた限り2泊3日で2000円~4000円ぐらいするみたいで、発送するとなるといちいち現地組み立てしてまた解体して発送して……とかなりめんどくさそうでした。
なので、恒常的にめくり台が必要で、でも安く抑えたい……という場合はやはりDIYする方が多いみたいで、ネット上にも衣装ポール何かを流用してめくり台に改造している記事なんかも調べてみたら出てきました。
……と、そんなこんなで僕に依頼が来たのだと推察しました。
何といっても僕にとっては「誰かに使ってもらうため」にDIYするというのは実は初めてなので、今回はこれまで得た経験、及び買い揃えた工具をフルに活用してめくり台を本気DIYしていきましたので、その様子をお伝えしていきます。
同様にめくり台を安く抑えるためにDIYしてみたいと言った方のご参考にもなればと思います。
それではやっていきましょう。
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①資材紹介

使用する木材は杉材(45mm角・1820mm)と、杉の端材(15mm厚)。

また、補強用やめくり留め具部分を作成するために
- ラバー材
- L字・T字金具
- 蝶ネジ・ワッシャー・六角ボルト(
60mm長→後で80mm長に変更) - 超アングル×4
等々も準備しました。
②作成工程
1.切り出し

まずは木材をそれぞれ
- 土台……500mm×2
- 留め部……45mm角、15mm厚それぞれ400mm
- 軸……1500mm
に切り出していきました。

最終的な組み立てイメージはこんな感じ。十字に組んで土台にし、軸を真っ直ぐ接合し、先端に留め部を設けるというごくごくシンプルな構造です。
高さ1500mm(完成時は約1600mm)というのはめくり台としてはかなり背の高い方ではありますが、大は小を兼ねるということで高めにしておきました。

土台を十字に組むため、切り欠けをしていきます。

削りやすくするため、ノコギリで途中のところまで何回も切り込みを入れておき……

削り取って凹みを作ります。

お互いの凹んだ部分を重ね合わせることで十字に組むことができるようになります。このようなほぞ組を「十字相欠き接ぎ」というそうです。

普段自分用にDIYする時にはやらないのですが、今回は本気DIYということで手の触れる部分に関しては面取りをしておきました。

また、今回かなり背高めのめくり台にしていくということで、車等で運搬がしやすくなるように分離式にしていきます。
軸の半分でぶった切り、後で超アングルを継ぎ目部分に取り付けることで……

このように運搬時は半分ずつで運びやすく、使用時には接続させて普通にめくり台として使用できるようにしました。
ちょっと金具が目立ちますが、めくり紙を取り付けたら隠れる部分なのでそこまで問題はないかなと思います。
2.組み立て

まずは下半分、軸と土台を底から貫く形でビス止めしていきます。
ただ、1本で止めてあるだけの状態だと軸がくるくる回ってしまうので……

補強としてL字金具で土台と軸を固定しました。これにより回転することなく安定します。
金具は1カ所だけなので、客席から見えない位置に置けば目立ちません。

同じく上半分も、留め部と軸をビスで打ち貫き、回転しないよう今度はT字金具で補強しました。
3.塗装
普段自分で使うようであれば、防水のためとか腐食防止のためとか理由がない限りしないのですが、今回は本気DIYなので軽く塗装の方も行っていきました。

とはいえ、めくり台自体は木質が残っている方がそれっぽくなるので、色を乗せるのではなく木の質感が残った状態で見た目と耐久性を向上させる「オイル・フィニッシュ」という仕上げ材で塗装していきました。
ちなみにこれは空き家に大量に残されていた塗料の一つで、状態が悪ければ使うのは止めようかとも思ったのですが……

見た目や臭い的にはそこまで問題なさそうだったので、余らせとくのももったいないので塗布していきました。

二度重ね塗りして乾燥させた後がこんな感じ。木の質感はそのままに、ちょっと色合いが濃くなって木製家具感が増したんじゃないかと思います。
4.微調整
後は留め部の方を作って完成かと思ったらのですが……

ここでなんと、土台がめちゃくちゃグラグラするというかなり大きい欠陥が見つかってしまいました。

原因としては、どうしても木材自体に若干の反りがあるため安定しないというのもあるのですが、それ以上に十字に組んだ部分の段差の影響が大きいことが分かりました。

そのため一回分解し、高さ調整として小屋作りの際に余ったスポンジテープ(ドアのすき間埋めに使ったやつ)を間に挟み込むことで、ぐらつきを多少抑えることに成功しました。
しかしそれでも、どうしても若干のグラつきが出てしまったのは無念です……もっと良い木材を使う必要があったのか、もしくは僕の切り欠けの腕が単純に足りてないのか……こんな十字の単純な土台でも綺麗に立たせるのは難しいということが身に染みました。

その後、接続用の超アングル金具も取り付けました。とりあえず問題なく自立はしたので一安心しました。
5.留め部作成

最後に、めくりを垂らすための留め部の作成をしていきます。
まずはめくり台本体と留め板双方に対応する位置にドリルで穴を空けて、そこにボルトを通していくのですが……

何とも間抜けなことに、60mmのボルトでは長さが丁度すぎて蝶ネジを取り付ける余地がないことにこの時気が付きました。

そのため80mmのボルトを新しく調達してきたのですが、これでも割とギリギリだったという……こういう所に気付けないところはまだまだ経験が浅いなと思い知ってしまいます。

留め板の方は。そのまま木の板同士だとよっぽどネジをきつく締めないとめくりが留まらないため、滑り止め兼クッション材としてのラバー材を取り付けます。
ラバー材自体に両面テープが付いていたため、ここは楽々接着できました。

あとはボルトを通し、その先にワッシャーを介して蝶ネジを取り付ければ留め部は完成です。

ただこの留め部、やはりちょっと扱いづらい面がありまして……

僕の中のイメージでは蝶ネジを回したらそれでボルトの方が持ち上がって止め部分のすき間が空くはずだったのですが、そうはならずに蝶ネジの方が持ち上がるか、もしくは留め板の方のボルトの先端が飛び出すかになって、その間が空いてくれないんですよね。

間を空けるためには、蝶ネジボルトの終端ギリギリまで回した状態で、ボルトの先端が飛び出さないよう抑えたうえで蝶ネジごとボルトの終端を押し出す……という何とも煩雑な手順を踏まなくてはなりません。その上ボルトがギリギリサイズすぎるため空く間も狭いという……。
これは流石にボルトはもうちょっと長い方が扱いやすくなるなと感じました。

また、このあと一回試しにA4コピー用紙を連ねてつくっためくりを挟んでみたのですが……

取りはずしてみると、塗布したオイルが染み出て紙についてしまっていました。
これはいけません、もしもめくりが一回きりの物でなく、大事に使い続けている物だった場合これはマジで取り返しがつかなくなってしまいます。
その後、数日間にわたって乾かしましたが、なかなかオイルが完全に乾くまでは時間がかかるみたいで、どうしてもシミが付いてしまいました。
流石にこのままだと使い物にならないので……

仕方がなく、留め部部分のみやすりで削り、オイルが染みている面を全て削り取ってしまうことにしました。
一応これで、めくりを挟んでもオイルが染みてしまうことは無くなりました。
③完成

以上で全ての作成工程が済み、本気DIYのめくり台が完成しました。
こんなにも単純な構造なのに、いざ本気で作成するとなると様々な障壁にぶつかってしまって、なかなかいい経験になったと思います。

分割式なので、車の後部座席にも楽々搬入することができます。
このまま積んでおいて、また先輩に会う時にでも渡したいと思います。
④まとめ
今回は人からの依頼を受け、自分のためでなく人に使ってもらうためのめくり台を本気DIYする様子をお伝えしていきました。
自分で自分が使う物をDIYする時には感じなかった様々な点が今回は意識させられて、自分用だったら「まぁこれでいいか」って感じで雑に仕上げてしまう所を、やはり人に使ってもらうとなったら結構丁寧に仕上げなくてはならないので、なかなか新鮮な体験でした。
それにしてもめくり台とか、こう「工場で大量生産されてないけど需要はあって、低品質でも安く手に入れたい物」みたいな穴場的な商品が探してみたら他にもありそうな気がしますね。
こんな感じの品を探して、依頼を受注してDIYで売るみたいなことも、生活費を稼ぐ方法としてはアリな気がしてきました。
……まぁ、今回の仕上がりから言ってまだまだ腕を磨く必要性はありそうですが。
以上で今回の記事は終わりです。
また次回の記事でお会いしましょう。ここまでお読みいただきありがとうございました。
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