どうも、たかしです。

今回は久しぶりに、僕が小屋暮らしをしている土地のある集落の地域行事に参加した記録記事になります。

実はこれまでも何度か地域の草刈りとかの行事に参加する機会はあったのですが、特にこれまでの草刈り行事と大きな違いは無く進行していったためブログ記事にはせずに過ぎていっていたんですよね。

さて、そんな地域行事に参加する中で、どうやら町内会に入っているメンバーの中で持ち回りで、「年越し挨拶の神社番」と、「その事前の準備・掃除&その他お宮関係の掃除片付け」をする必要があるらしく、今年は僕が住んでいる辺りの数世帯が対象と言うことでした。たまたま順番に初年度から当たってしまったということですね。

とはいえ、番をする神社も家から近く良く知っている場所ですし、その他集落内のお寺だったり集落入り口にある地蔵群だったり、事前に掃除・片付けをすることになるであろう場所は全部一度は訪れたことのある場所だったので、まあ今回もそんなブログ記事にするほどのことは起きないだろうと思っていたのですが……

まさかあんなとんでもない場所に赴くことになろうとは……山奥集落の歴史の深みを感じざるを得ませんでした。

と言う訳で、今回の記事では集落のお宮周りの掃除行事に参加した結果、とんでもない場所に行くことになってしまった顛末をお伝えしていきます。

それではやっていきましょう。

①とんでもない場所に行くまでの経緯

その日は朝の9時から、集落入り口の地蔵群の掃除から始まることになっていました。

今回の掃除行事は年の瀬に向けての「お宮関係」の掃除と言うことで、地域に関係している神仏関係施設の掃除を当番の人たちで車で周りつつ行っていくという物でした。

集まっていたのは集落のご近所世帯が全部で10名に満たないぐらいで、基本的にはその人たちで各お宮施設を巡っては箒や熊手で落ち葉を掻いたり、多少崩れたり壊れたりしている部分があったらできる範囲での補修と言った感じで、特に問題なく進んでいきました。

そんな中参加メンバーの空気が一変したのが、地蔵群→神社→寺(正確には寺跡地周辺の掃除)と巡っていき、寺の掃除が一通り終わった頃に軽く雨が降り出した時のことです。

僕はてっきりこれで最後のお宮施設が終わったことだし、雨も降って来たのだから解散……だと思っていたのですが、メンバーの会話内容を聞くにどうやらそうではない様子だったのです。

いや~雨降って来ちゃったし、川向こうの

お宮に関しては今年はもういいか?

こう一人が言いだして、周りも「そうだね」「道も危ないしねぇ」等々同調するような雰囲気を醸し出し始めたのです。

どうやら「川向こう」にまだあと一つ地域に関係するお宮関係の施設があるらしいのですが、しかしメンバーの雰囲気から察するにそこに行くのは大変で皆あまりやりたくない、ということなのでしょう。

僕としてはそれがどこにあるどんな施設なのか全く見当がつかなかったので、一目見てみたいなと言う思いはありつつも、これまでの作業でそれなりに疲れていたし雨も降って来たしで、「まあ皆さんがナシだというなら別にそれでいいか」と流されかけていたその時でした。

Aさん

じゃあ今年は俺が一人で行ってくるよ

なんと、メンバーの一人Aさん(元町内会長で割と僕自身お世話になっている)が、自分だけでその「川向こうのお宮」の掃除に向かうと言い出したのです。

他の面々も「いや、さすがにAさんだけ行かせるのは……」「でも行くのはなぁ……」という微妙な雰囲気になってきており、そんな状況になぜだか気分がノってしまった僕は

たかし

一回どんなもんか知りたいので僕も行きます!

と声を上げてしまったのです。

結果、僕とAさんと後もう一人Oさん(割と交流のある住人の一人)の3人で「川向こうのお宮」に向かうこととなったのです。

この時僕は甘く考えていたのです……とはいってもちょっと細い荒れた道を通った先の古いお堂に向かうぐらいだろうと。

②「川向こうのお宮」への道のり

僕は場所が分からないので、AさんOさんそれぞれの軽トラの後ろについていき、集落を出て太い道を少し進んだ待避所で軽トラは止まり、Aさんは言いました。

Aさん

ここからは林道で川に降りていくから、

たかしくんは俺の軽トラに乗って

やはり、お宮までの道は僕の愛車フィットですら通行困難なほどの細い道を通っていくことになるようです。

軽トラに乗せてもらい、太い道から逸れた林道に入ると早速超凸凹&細道で、なるほどこれは皆来るのをためらうのも納得だなと思ったのもつかの間。

Aさん

ここからは歩いていくから

そう言って、林道の少し開けた所に軽トラを止めたAさんの指さした先を見て、僕は驚愕しました。

いや、リアルガチ「川向こう」かーーい!!

川向こうと言っても、流石に細い橋的な物を渡るのだろうと思っていた僕は甘々だったと言わざるを得ません。

まあまあの流れがあって、場所によっては膝上まで深さのある川を、苔でヌルヌルの岩の上を渡りながら超えるのが山奥集落クオリティの「川向こう」なのです。

そりゃあ皆さん来たがらない訳ですよ。夏ならともかく、12月終わりの山奥の沢ですからね。ずっこけて全身ずぶぬれにでもなろうものなら発熱待ったなしです。

長靴で来て良かった……本当に良かった……。

川を渡ったらそれで終わりではありません。対岸の沢沿いの山道をしばらく進んでいきます。

なかなかの景色です。人が来ている形跡もほとんどなく、夏場だったら絶好の穴場スポットになるのではないでしょうか。夏場だったらね。

山奥の、ほとんど人の手が入っていないそれなりの規模の沢沿いと言うことで、地形が何かもうヤバいです。

巨岩が道になっています。この岩はかつて上流から流れてきた物なのか、それとも削られてこうなったのか……悠久の時を感じます。

③「川向うのお宮」へ到着

川を渡ってから沢沿いを上がること10分ほど、「川向こうのお宮」へ到着しました。

見て分かる通りボロボロです。とても普段人が行き来して管理しているようには見えません。

中にもボロボロの祠っぽいのがあるだけ。話を聞くところによるとこちらは「阿弥陀」を祀っているとのことですが……まあ仏教施設と言うよりは、もともと山間信仰で祀られていた神様が仏教と習合した結果とりあえず一番有難い仏である「阿弥陀」を祀ることにしたといった感じでしょうか。

竹で作った壺を挿し、そこに水をくべてヒサカキ(榊と似た葉をつける木)の葉をくべるといったことをして一通りの作業が完了とのことでした。

あとは周りの落ち葉や枝木をはらったぐらいですね。

お堂の前には縁起物とされる赤い実のなる「センリョウ」が植えられていました。

何と、こちらのお堂には後もう一回2月ごろにやって来てお神酒を捧げるという行事があるそうです。

2月の川……山奥の地域行事ハード過ぎません?

④帰り道の大岩に仰天

帰りに行きとは少し違ったルートを通ったのですが、そこにはめちゃくちゃ不自然な形の大岩がありました。

横に立っている人と比較すると、いかに巨大な岩かが分かると思います。

岩同士が器用に引っかかって、まるで洞窟のような空間ができており、そこにも昔何かしらの人工物があったのであろう痕跡が残っていました。

実際に相対すると、あまりの大きさとその下にある空間の不自然さに圧倒されてしまいます。もうちょっと人に見られやすい、例えば城跡の近くとかにあったなら間違いなく観光スポットになっていたことでしょう。

Aさんがこちらの大岩に関して、「その昔この辺り一帯をナワバリにしていた泥棒がいて、その泥棒がねじろにしていた場所の一つがこの大岩の下なんじゃないかと言われている」という話をしてくれました。

いや、めちゃくちゃ観光地の看板とかに載せられてそうな素敵エピソードぅ!

金の臭いがしてきたな(無粋)。

⑤まとめ

今回は山奥集落の地域清掃行事に参加した結果、とんでもない僻地のお宮にガチ川渡りをして赴くというとんでもない体験をしたことについてお伝えしていきました。

今回のことで得た教訓としては、山奥集落の地域行事に参加する時には長靴必須だということですね。

いや、ホント山奥に住むようになってからスニーカーとかほぼ全く履かなくなりましたからね。町に下りる時にすら意識しないと長靴のまま車乗ってるときありますから。そのぐらい山奥と長靴はセットだということを、今回の件でより一層痛感しました。

しかし、本当に山奥の集落には歴史があって面白いです。今回記事内では触れていない山奥集落の歴史や施設に関してもAさんは色々教えてくれましたからね。

機会があればまた行って実際に自分の目で見てみたいんですけどね……一人で行くのはやっぱり危険ですからなかなか難しそうです。以前古道を探検して身に染みましたから。

今度は年越しに神社番をすることになりますので、その際にも何かまた面白いことがありましたら記事にしていきたいと思います。お楽しみに!

今回の記事は以上です。

また次回の記事でお会いしましょう。ここまでお読みいただきありがとうございました。