どうも、たかしです。

先日とうとう念願だった空き家の風呂場改造計画もようやく一区切りつき、ちょっと一息つきたいところではあるのですが、山奥の大自然はなかなか僕を放っておいてはくれないようで……。

というのも、最近とんと庭の方を放ったらかしにしていたせいで、雑草がかなり繁茂してしまって、いい加減草刈りをやらなきゃなと危機感をあおられているんですよね。

とはいえ、実は雑草を放置しているのにも理由があって、とある動画のネタとして活用するために雑草がある程度繁茂している必要があるのです。それが何なのかはまた動画が出る時までのお楽しみにしていただくとしまして……。

そんな庭にとうとう、放ったらかしにしていたらかなり不味いあの雑草が姿を現しました。

それがこちら、マメ科の雑草の葛です。

クズと言えばその繁殖力の強さから、米国では侵略的外来種として扱われていることもあり、よく河原の土手がクズで覆い尽くされている光景なんかも街中ではありふれた光景です。

庭がクズで覆われてしまっては大変ですので、今回は駆除がてら、久しぶりに葛の新芽の天ぷらを頂いていきたいと思います。

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①採取

クズはつるの先にある人節分ぐらいの柔らかい新芽が食用となり、茹でて皮をむいて食べたり、そのまま天ぷらにして食べたりできます。

ただ、庭に入ってきた分だとあまりにも量が少ないため、庭から出て敷地の中で他に葛の新芽が無いか探しに出たのですが、そこで驚きの光景を目にしました。

なんと、葛の新芽が先に何者かによって食べられてしまっていたのです。

クズの新芽が美味しいということは有名で、町の河原なんかでもクズの新芽を採取しに出かけた際既に先駆者によって太くて立派な物が取られてしまっているというのは良くあることでした。

ですが、ここは山奥の集落のしかも端っこ。同じ集落に住んでいる人ですらたまにしか立ち入らないこんな僻地に、わざわざクズの新芽を採るために足を運ぶ人がいるとはとても考えられません。

一本だけでなく、地面際に伸びている葛の新芽はことごとくやられました。

これは……恐らく犯人はシカでしょう。

僕の住む山奥集落にはめちゃくちゃ大量のシカが住み着いており、農地にはしょっちゅう糞が転がっています。

そのシカが庭の近くまでやってきて、やわらかくて食べやすいクズの新芽をことごとく食べてしまったのだと考えれば納得がいきます。

実際、シカの食害の及ばない樹上に高く生えている葛の新芽は無事でした。

前々から不思議だったですが、この山奥集落は「昔人の手が入っていて今は放棄されてしまっている土地」という、最もクズが繁茂しやすそうな条件下にあるにもかかわらず、局所的にしかクズが繁茂していないんですよね。

で、その局所的に繁茂している箇所というのが、シカの侵入を阻む防獣フェンスに囲まれた放棄田のある場所なのです。

つまり、このほとんど放棄地と言っていいまでに閑散としている山奥集落の僻地をクズが覆い尽くしてしまわないのには、恐らくはそうなる前にシカが食べ尽くしてしまっているからなんだろうなと、これまで何となく思っていたことが今回確信に変わりました。

シカは自分の頭が届く下草を食い尽くしてしまうため、増えすぎると森林環境を破壊してしまう生き物としての特性があるのですが、これは人間目線で考えた時に「雑草が繁茂しすぎるのを防いでくれる有難い特性」と捉えることもできるのかもしれません。

……とはいえ、より食べやすい植物を選んでしまうため栽培している作物が食害されてしまいますし、マダニを運んでくるしで、人間にとっては正直外の方が大きいとは思いうのですけれども。

あと、シカがクズの新芽を食い尽くしているのだとすると、庭の中に侵入してきたクズの新芽が無事だったというのはちゃんと防獣フェンスが機能してくれている証拠でもあると思うので、その点は一安心でした。

②調理

一通り回収した葛は軽く水洗いします。これで下ごしらえはお終い。

野草の中でも随一の食べやすさであるクズは、特にアク抜きなどの下処理は必要なく食べられます。今回は畑から収穫した同じマメ科であるエンドウと一緒に食べて、食べ比べをすることにしました。

数本をまとめて衣に浸けて、薄く敷いた油の中にポイ。

クズの新芽は毛におおわれているため、非常に衣の付きが良く、そういう点でも天ぷらが最適な調理法ではないかと思っています。

③実食

食べ比べのため同様に天ぷらにしたエンドウと一緒にいただきました。

葛を食べた感想ですが……相変わらずのモチモチとした食べ応えのある食感とクセの無い味わい。ただどこか後味として個人的にはめちゃくちゃ薄いシソのような香りを感じます。

マメ科繋がりで枝豆っぽい風味と表現している記事も見かけますが、僕としては余り葛の新芽を食べてマメっぽい味わいを感じたことはないです。とにかくひたすらクセが無くて持ちっとした食感&ちょっと鼻に抜ける香りがあるかなって感じです。

そして今回エンドウと食べ比べた感想なのですが……まぁ当然エンドウの方が美味いですね。流石にレベチ。

具体的には、エンドウの方が風味とコクがもう何倍にも葛より強いです。特に味付けも下処理もせず、ただ天ぷらにして塩まぶすだけでめちゃくちゃ美味いって、流石は栽培品種だと思いましたね。

あと、今回庭の葛を食べて気になっためちゃくちゃ毛が固くてチクチクするのがちょっと食べづらかったということです。

これは、小屋暮らしを始める前の町の河川敷でとったクズと比べてなのですが、もう明らかに毛が濃いし太いし固いです。町のクズは天ぷらで食べたら毛が固いと思うこと何て全く無かったので。

もちろん同じ葛でも地域差・個体差はあるはずなのでこれはあくまで想像なのですが、この土地のクズがここまで毛を固くして食べづらくなっているのには、やはりシカとの戦いの末生き残った種だけが今もこの土地に根付いている、ということと無関係ではないような気がします。

進化論的に、シカが敢えては食べなかった毛が固めの個体だけが生き残るということを繰り返して、今この土地にある葛は毛が固くて食べづらい品種になっているということなのではないかなと。

そう考えると、この土地の生態系がまるでシカを中心として成り立っているように感じられて興味深いと感じました。もしかしたらクズ以外にも、シカの食害から逃れるためにこの土地の植物が独特の進化を遂げていると言う例があるのかもしれませんね。

今回の記事は以上です。

また次回の記事でお会いしましょう。ここまでお読みいただきありがとうございました。

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