どうも、たかしです。

前回の記事に引き続き、購入予定の土地にまつわる問題点について解説しています。

前回の記事では、購入予定の土地についていた「遥か昔の抵当権」についてご説明してきました。

相続人が100人以上いることが想定され、実行される可能性がほとんどなく基本的には物件を購入するに際して何の問題も無いはずだったこの「遥か昔の抵当権」だったのですが、とある2つの事情と絡み合うことで厄介なことになり、購入できる面積が減ってしまう事態になってしまったのです。

その2つの事情とは、

  • 抵当権の付いている土地が農地であったこと
  • 抵当権の付いている土地に公道が通ってしまっていること

という点です。

小屋根ちゃん

農地? 公道? 

畑に道が通ってるってこと? 何それ。

たかし

次の項からまずは「地目上の農地」について、そして

「公道が通っている理由」について説明していくよ。

今回の記事では上記2点がどのような事情でそうなっているのか、そしてどのような点が問題なのかについて解説していきます。

それでは、やっていきましょう。

①地目上「農地」であることの課題

今回問題になっている「遥か昔の抵当権」が付いている物件は「地目上の農地」にあたる土地です。

「地目上」とはどういうことかというと、「登記簿上の地目に『農地』と記されている」という意味です。

つまり、土地の状態がどんな状態であろうと、登記簿の地目欄に「農地」とされているのであればその土地は「農地」ということになります。

しかし、地目上「農地」となっている土地が全てきちんと農地として活用されているかというと、そうではないケースも多くあります。

ずいぶん昔から耕作放棄されて、山林となってしまっていたり野原となっていたり、もしくは「農地」からは遠くかけ離れているような現況になってしまっている土地も多く存在します。

そして、例えそのような土地であったとしても、地目上が「農地」になってしまっているのであれば法的にも「農地」として取り扱われ、様々な規制・保護の対象になってしまいます。

詳しくは過去にも農地について取り扱った記事でご説明しましたが、購入したり所有権を移転したり、地目を農地から別のものに変更する「農地転用」をしたりするためには、自治体指定の農業委員会の許可が必要になり、その許可を取るのも簡単には行かず様々な書類や審査が必要になってくるのです。

これは地目上の「農地」が抱える課題なのではないかと僕は考えています。

農地にかかるこれらの規制・保護は必要だとは思いますが、実質農地として運営されていない空き地のような土地までこのような制限を受けてしまうのは不便過ぎるのではないでしょうか。

過去記事でも述べていますが、現況としてほとんど農地として成立していないような辺境の空き地に関しては、もう少しラフに活用できるような規制緩和が今後進んでくれるといいなと願っています。

2.市道が通ってしまっている問題

僕が購入しようとしている「遥か昔の抵当権」が残っているその農地も、現況は「農地」とは全く呼べないような状態になっています。

崖のような斜面になっていたりそこから木が生えてしまっていたり……そして何よりもコンクリート舗装の「公道」が走ってしまっているような状態なのです。

小屋根ちゃん

公道!? 私道じゃなくて!?

たかし

そうなんだ。

「調べたら私有地に公道が走っていたことが分かった」

というケースが近年問題になってきているとは聞いていた

けど、まさか自分の身に降りかかるなんてね……。

この「公道が勝手に私有地を走っていた」という問題は、過去の自治体が正確な測量を行わずに登記処理を行ったことが原因であると考えられているようです。

この件を問わず、登記されている図面と実際の土地状況が異なっているというケースは多く見られるようで、昔の自治体がどれだけずさんに土地測量・登記を行ってきたのかが垣間見える問題と言えます。

通常であれば、所有者のいる土地に公道を通す場合には、土地の所有者の了解を自治体もしくは国が得たのちに、その土地を「公道部分」と「それ以外の部分」に分筆してから登記し直すのが普通なのですが……。

僕が購入予定の土地の場合は、分筆も何もなく、登記上は一筆の土地の中に横切るように公道が通ってしまっているんですよね。

なぜこんなことになっているのか、不動産屋さんが行政に聞いてくれたみたいなのですが……

職員

市町村合併前の旧○○村役場のやったことなので分からない

との回答だったようです。

小屋根ちゃん

何だそりゃ

たかし

本当どこかで聞いたような答弁だよね。

③まとめ→次回に続く

ここまで僕が購入予定の土地にまつわる2つの問題について解説してきました。

僕の土地にまつわる事情は、前回の記事でも説明したものを含めれば全部で3つです。

  • 「遥か昔の抵当権」がついてしまっていること
  • 「地目上の農地」であり、購入・農地転用にあたっては農業委員会の許可が必要だということ
  • 公道が勝手に通ってしまっていること

ですが、実はこれらの問題はそれぞれ個別であれば大した問題にはならないことなのです。

「遥か昔の抵当権」については前回お話しした通り、実行される可能性は限りなく0ですし、実行されたとて1万円にもみたない額を弁済すればそれで済む問題です。

「地目上の農地」であることについても、現況が農地と到底言えない状態であれば農地転用することは不可能ではありませんし、農地のまま買い取るための許可を得ることだってできます。事実、抵当権の付いていない他の部分の農地に関しては、農地転用や購入の許可を貰えるように不動産屋さんに手配してもらっています。

「公道が勝手に通っている」件についても、その場所はもともと農地として活用できるような状況の土地ではないですし、むしろ公道として舗装されている道路が土地の中まで通っているという今の状況は非常に便利なぐらいです。

事例として挙げた動画の中では「不要な分の固定資産税まで払わされている」とありましたが、こんな辺鄙な土地のごく狭い面積の固定資産税なんてたかが知れています。なので、なんなら僕が購入したのちに行政に道路部分を無償寄付してしまってもいいくらいなのです。

では、今回なぜこれらのことが問題となってしまっているのか。

それは、これら3つの事象が絡まり合ってしまって、購入・農地転用のための農業委員会の許可がもらえず、かつ解決のために動き出すことが実質不可能に陥ってしまっているからなのです。

詳しくは次回お話ししたいと思います。

また次回の記事でお会いしましょう。ここまでお読みいただき、ありがとうございました。