どうも、たかしです。
前回「夜間の農地の動物観察」の動画でもお伝えした通り、数日にわたって夜間の農地に侵入する動物を撮影して調べた結果、ほぼ毎日複数等のシカが農地に出入りしていることが判明しました。

少しはイノシシとか、タヌキとかアライグマとかアナグマとか、イタチとかハクビシンとかが映るかなと期待していただけに、この結果はかなり衝撃的でした。
近年シカが増えすぎていることにより様々な問題が発生しているというのは聞いたことがありましたが、実際に映像としてまざまざと見せつけられると全くよそ事ではないことを実感させられます。
今後小屋暮らし開拓をしていくにあたって、シカとどのように関わっていくのかということは非常に重要な問題なのではないかと思います。
そこで今回は、シカがこうして増えすぎていることで実際自分にとってどのようなデメリット、はたまたメリットがあるのか、そして今後どのように関わっていく方針なのか等々について考えていきます。
それではやっていきましょう。
その他「考察・思案」記事(ランダム表示)
①シカが増えすぎていることに関するデメリット
1.マダニが増える
これはもう言わずもがなでしょう。当ブログでもこれまで何回にも渡って記事で触れてきて、この土地の抱えている最大の問題の一つでもあります。
マダニ関連記事
マダニは人も含めた様々な動物に取り付き、その血を吸い、感染症を媒介することもある恐ろしい虫です。

シカが大量に農地に出入りすることによって、同時にマダニが持ち込まれ、逆に農地のマダニがシカに取りついてまた成長し、また持ち込まれて……といった具合に、シカの侵入をどうにかしないことには農地のマダニを根絶することはできません。
シカの侵入を阻むために現在庭周囲だけは柵で覆いつくしているため、今後庭のマダニは減っていくことと思われますが……農地全体を柵で囲むのは、労力的にも資金的にも今のところは非現実的です。
2.植物が食べられる

シカは草食動物。それも1匹だけでもかなりの量(1日に1頭当たり体重の10%弱に当たる 3〜5kgほど)の量を食べるうえ、それが群れになってやって来るのですからそれはもうとんでもない量になってきます。
そうなると、土地に生えている草がどんどん食べられて減っていってしまうことになります。雑草を食べるのなら別に構わないのですが、僕にとっても有用な植物が食べられてしまうことが起こり得るのです。

畑の野菜なんかは、完全に覆われた防獣ハウス内で育てているため基本被害にはあわずに済んでいますが、伸びすぎて少しでも柵から出ようものなら即シカの餌食になってしまっていますし……

また、今年になってから庭の山椒がやたら大きく成長していっているのですが、これは恐らく去年まではシカが新芽を食べてしまっていたのが、今年は柵で囲われて食べられなくなったから急成長していっているということなんじゃないかと思います。
今年は農地と飛び地の広い範囲に渡って草刈りをしたので、何か食べられそうな野草が生えてくれないか結構期待していたのですが、それも恐らくは生えた先からシカに食べられてしまっているのでしょう。
このように、草食かつ大食漢であるシカが大量に土地に侵入してくることにより、土地の植物がどんどん失われて行ってしまうのも大きなデメリットであると言えます。
③夜が怖い

これはちょっと蛇足的な感じになりますが、シカが夜間当たり前のように土地や集落の道路何かに入り浸っていることで、夜に外に出るのが超怖いというのがあります。
これまで何度か遭遇し、別に向かってくるということも無かったので恐らく大丈夫だとは思うのですが……野生の獣ですから万が一が無いとは言えません。
僕の胸元ぐらいまである巨大な獣で、しかもそれが複数群れている訳ですから、ガチで殴り合っても僕に勝ち目はありません。
シカは臆病な生き物なので基本人間と相対しても逃げるはずなのですが、もしも事故的に至近距離で遭遇してしまった場合に、パニックに陥ったシカに攻撃されないとも限りません。
なので、基本夜間に特に一人で外に出るというのはできないんですよね……まぁこれはシカに限らずですが(むしろイノシシとかの方が怖い)。
②シカの存在によるメリット
1.雑草の繁茂が抑えられる
デメリットの面ではシカによる食害で植物が失われることを話しましたが、それは逆に言えば「シカが土地が雑草だらけになることを抑制してくれている」と捉えることもできます。

現に、農地の下草は周囲を柵で囲っている畑や庭と比べて明らかに雑草の繁茂が緩やかです。

これは間違いなく、シカが農地の下草を生えた端から食べてしまっているから、雑草が背の低いままで抑えられているということでしょう。
YOUTUBEなんかでも「ヤギで除草」みたいな動画がありますが、同じことが野生のシカでも起きているということです。

葛なんかは放棄された土地をあっという間に覆い尽くしてしまうことで有名な植物ですが、僕の住む集落では高い木の上や柵に囲まれた内側の土地でしか基本的に芽にしません。
これもまた、シカがクズの新芽を端から食べていってしまうために、シカの及ばない範囲だけでしかクズが繁茂できていないということなのでしょう。
……まぁ、とはいえシカも基本的には「食べやすい柔らかい葉っぱや芽」を優先して食べるために、成長してしまって固くなった雑草なんかは食べてくれないので、完全に雑草の抑制にはなっていないんですけどね。
2.他の動物の侵入を抑制する
これもまた逆説的な発想ではあるのですが、毎日のようにシカが土地に侵入してきていることで他の野生動物の侵入が抑制されている可能性があります。

これまで庭や空き家に侵入してきた動物と言えばアナグマぐらいで、害獣として良く名前を聞くアライグマやらハクビシン、イタチなんかの姿を僕はまだ見たことが無いんですよね。
基本的に野生動物という物はテリトリーという物を重要視している物だと思っているので、シカが頻繁に出入りしているということで僕の所の農地はもしかしたら「シカのナワバリ」という風な認識を獣同士で共有していて、そのために他の動物は侵入して来ていないのではないかなと。
これは流石に推測でしかないのですが、1週間近くずっとカメラを回してシカしか映らないというのも不自然なので、もしかしたらそうなんじゃないかなと。
そう考えたら、空き家が害獣の被害に余り遭っていないのはシカのおかげ……といえなくもないのかもしれません。
アナグマ? あんなクソ害獣の考えていることなんか知るかよ。
③今後のシカとの関わり方について
1.基本は柵で囲って対策
シカの侵入を阻むためには、とにかく柵で囲っていく以外今のところ取れる対策はありません。

ただ厄介なのが、シカは180㎝ぐらいの高さであれば飛び越えることができてしまうため、シカの侵入を完全に阻むためには高いフェンスを設置する必要があり、その分設置費用が嵩んでしまうんですよね。
そのため、あまり広範囲にわたってシカの侵入防止柵を設置することは難しく、あくまで局所的に囲って対策することしかできません。
庭の周囲を囲っただけでも恐らく総計10万近くはいっている気がするので、これを農地に同じようにするとなったらどれだけかかるか……50万、下手したら100万行くかもしれません。
2.狩猟する
ただ柵で囲って防御するのでなく、罠をしかけたり銃で狩ったりとこちらから攻勢に出るという手もあり得る選択肢の一つです。
ただ、そのためにはまず狩猟免許を取らねばならず、罠猟免許ならまだしも銃免許を取るとなったらそれなりに複雑な手続きや試験を突破する必要があるというのが一つ関門としてあります。
また、免許を取ったとしてもじゃあ捕まえて狩った後のシカをどうするんだという問題がありますし、そもそも僕自身がシカを狩ることのできるメンタルを持ち合わせているのかといった問題もあります。
更に更に、シカによってもたらされている恩恵も少なからずこの土地にもあるはずで、それこそ僕がここらのシカを狩り尽くしてしまったらどのような影響が起こるのか想像も付かないというのも、ただ単純に「厄介だから狩猟してしまえ」と一概に考えられない要素になっています。
シカと共生していくためにはどうしていけばいいのか、狩猟するにしてもどの程度を狩ってどの程度を残しておいた方が良いのか……僕個人の事情だけで簡単に判断できないのがこの問題の複雑な所です。
④まとめ
今回は、農地に蔓延っている増えすぎたシカによる自分の暮らしへの影響や、今後どのように関わっていけばいいのかについて考えていきました。
僕が今生活している土地は、マダニが多すぎるせいで住みづらくなってしまっている部分が大きいと思うので、その原因となっているシカとの今後の関わり方は非常に重要な問題となってきます。
とにかく、近いうち狩猟免許は取りたいとは思ってはいますが、人間が狩りをすることによる自然への影響というのも非常に大きいと思っているので、狩猟するにしても色々な人の意見を聞いたり調べたりしながら慎重に考えていきたいと思っています。
狩猟免許に関しても、取得までの道程をまたブログ記事にしてお伝えしていきたいと思っています。何か診断書とかいるみたいで、これもなかなか面白そうなのでぜひお楽しみに。
今回の記事は以上です。
また次回の記事でお会いしましょう。ここまでお読みいただきありがとうございました。
↓ランキングに反映されますので、よろしければクリックお願いします!
