どうも、たかしです。

前回の記事では、小屋暮らし予定地に付随する空き家内から出てきた廃家電を分解して回収した「アルミ」や「銅」、「真鍮」を鉄くず業者に持ち込みました。

結果は2910円買取でしたが、真鍮だけは1kgに満たず鉄くず業者に買取してもらえませんでした。

井戸ポンプから回収した真鍮製の部品

そのため、何とか真鍮を回収することができないかとネット上でいろいろと調べていたところ、YOUTUBEで消防ホースの筒先が盗難されたというニュースを見つけました。

何だかまるで将来自分がしでかしそうな犯罪を先回りして報道されているような、そんな居心地の悪さを感じてしまいましたよ。

今回の事件に限らず、家屋や公共設備などから価値の高い金属だけを狙って盗む「金属泥棒」は結構発生しているようですね。他によく狙われるところだと、排水口の上に被せる「グレーチング」とか、人通りの少ない場所を狙って盗まれるということがあるようです。

僕自身、これまで散々空き家から出た金属製品のゴミを鉄くず業者に持ち込んでそこそこのお金を得てきた経験から、上記2件の事件みたいなことを全く思いつかなかったと言えば嘘になります。

もちろん思いつくだけで実行するはずもありませんが……「金属製品が高く売れる」ことを知ってしまえば「誰でも簡単に行えてしまう」のが金属泥棒の恐ろしい点です。そして、それに有効な対策はあまり実施されてはいないのが現状です。

なので今回は、僕自身が間違ってでもそのような犯罪に手を染めないという固い決意を込めて、どうしたら金属泥棒を防ぐことができるのかについて、「消防ホースの筒先盗難」を例に考えていこうと思います。

それではやっていきましょう。

①ホースの筒先が盗難される理由

もしかしたら「消防ホースの筒先盗難」のニュースを見た人の中には、「いやいや、そんなもん盗んでどうすんのww」と思った人もいるかもしれません。

そういう場合は恐らく、ホースの筒先をそのままの形で転売することを想像しているのではないかと思いますが、ホースの筒先の真の価値はその素材にあるのです。

今回盗難されたホースの筒先はその全てが「真鍮製」だったようです。これが一体どれだけの価値になるかと言うと……

真鍮の値段……1kgにつき800円ほど
ホースの筒先の重量……約3.8kg

調べてみても中々正確なデータが出てきませんでしたが、ヤフオクに出品されていたとある真鍮製の消防ホースノズルに重量表記がありました。

想定される買取金額……800×3.8=3040円

今回の盗難事件では82カ所の消火栓が被害に遭ったということでしたので、単純に掛け合わせるならば実に約25万円相当分もの真鍮が盗まれたことになります。

トラックやワゴンで運び出したのだとして、一カ所回るのに10分かかると考えると、盗むのにかかった総時間は約13.7時間。二日もあれば余裕をもって運び出しは済んでしまいますし、時給で換算すれば約1.8万円……ぼろ儲けですね。

ちなみにこちらのサイトで計算してみた所、週5日8時間労働での時給2万円の場合は年収4000万に相当するらしいです。

とんでもねえな。こりゃみんな筒先盗むわ……などと言ってられません!!!

このような不当な儲けを許すわけにはいかないのは確定的に明らかです。ここからはどうしたらこのような「金属泥棒」を防ぐことができるのかを考えていきましょう。

②金属泥棒対策の問題点

金属泥棒対策を考案するためには、まず「なぜ現代社会において金属泥棒対策が十分なされないのか」と言う点から金属泥棒対策が抱えている問題点を洗い出していく必要があります。

1.人目に付かない場所に設置されている金属製品が多すぎる

現代社会は金属製品があまりにもありふれ過ぎています。

町をざっと見回しても、ガードレール、郵便ポスト、マンホール、グレーチング、看板、公園の遊具等々……あまりに多くの金属製品が設置されています。

これらすべてに防犯設備を付けるというのは現実的に考えて不可能でしょう。いたるところに防犯カメラが仕掛けられているような街中はともかく、少し町から外れたような場所ではどうしても監視の目は行き届きません。

筒先盗難の件に関しては、狙われたのは町中の消火栓設備にもかかわらず、報道を見る限り防犯カメラの映像等は残ってはいないようでした。それほど消火栓の設置場所は多岐にわたっていて、監視の少ない場所がねらわれたということなのでしょう。

2.単価が安く、防犯設備設置のコストと釣り合わない

これも金属泥棒に対する対策が打ちづらい大きな原因の一つだと思われます。

先ほど消防ホースの筒先盗難事件の被害額の計算をしましたが、実際の所82件も被害に遭って総額は25万円程度、筒先一本の値段は3000円程度しかありません。たったこれだけの被害を防ぐために、消火栓一つ一つに盗難対策を施して常時維持することが果たして現実的なのかということが問題なのです。

しかもホース盗難に関しては、ものが消火栓設備ですから鍵を付けるわけにもいきません。いざ火災が起きた時に一々鍵を取りに行っていたら防火設備の意味が無いからです。

だからと言って、例えば消火栓一つ一つに防犯カメラを設置するというのもコストがかかり過ぎます。消火栓の中には扉を開けるとベルが鳴るシステムになっている物もあるようですが……

調べてみるとそれの設置にも大体1万前後ぐらいするようで、一本3000円の価値の物を1万円の防犯設備を設けて守るというのも変な気がします。

まあ、いざという時に消火栓が使えないなんてことでは困りますし、筒先の購入金額自体は1万円ぐらいするようですから、防犯ベルを付けるだけの価値はあると思いますが……。

とにかく言えることは、街中に設置してある金属製品の盗難を防止するために何かしらの対策を施すには、金属製品自体の単価はとても安く、コストに見合わないということです。

③金属泥棒の対策案

以上のことから、金属泥棒の対策には、以下の2点を推進していくことが重要だと考えています。

対策①……金属泥棒の存在を周知し、個人が所有する金属製品の管理を徹底する。

対策の一つ目は、私たち一人一人が「金属部品を狙う金属泥棒がいる」ということをしっかりと意識し、「どんなボロボロの金属製品でも、盗まれたら困る物はきちんと管理する」ことを徹底するということです。

ポイント

金属泥棒は、管理が緩く人目に付かない金属部品を狙う

近年鉄くずの価格が高騰していることや、金属製品はどんなボロボロの物でも鉄くず業者で買い取ってもらえること、それらを狙う泥棒がいるということなどが恐らくはきちんと周知されておらず、人々が金属製品に対する意識が緩いことが金属泥棒が横行する温床となっているものと思われます。

私たち一人一人が金属製品の価値を正しく理解し、どんなものが狙われるのか、どうしたら狙われなくなるのかをきちんと考えて管理することで、自ずと金属泥棒の数は減っていくはずです。

対策②……どうしても人目に付かない場所の設置物には、非金属もしくは鉄などの安い素材を使う。

町中に設置されている金属製の品として上の方で「郵便ポスト」「ガードレール」などを上げましたが、ではそれらの品物が盗まれたというニュースを聞かないのはなぜでしょうか?

答えは恐らく「盗難の労力に対して得られる額が少なく、割に合わない」からではないかと僕は考えています。

ポイント

金属泥棒は、取るのが容易で価格の高い物を狙う

金属泥棒の対象になるのは、「消火栓ホースの筒先」や「側溝のグレーチング」のように「盗るのが容易だったり、価格が高価だったり、もしくはその両方を満たす品です。そのため「郵便ポスト」や「ガードレール」のような「盗るのが困難で、かつ価格も安い」ものは盗まれづらい傾向にあります。

なので、ホースの筒先には真鍮以外のものを使用したり(実際に価格が安く重量も軽いアルミ製に置き換わってきているらしい)、人目に付かない側溝にはグレーチングではなくコンクリ製の側溝蓋を採用するとか、そういった対策を進めることが必要だと思います。

④まとめ

今回は「消火栓ホースの筒先盗難事件」を例に、金属泥棒の被害を抑えるためにはどうしたら良いのかについて考えていきました。

金属泥棒の傾向としてはやはり「人目の付かない、リスクが少なくリターンの高い物を盗む」というのが第一にあると思うので、対策としては泥棒側のリスクを高め、かつリターンを下げるというのが有効だと思います。そのためにはやはり重要・高価な金属製品は厳重に管理して、そうで無い品には安価な素材を使用するというのが重要になってくるでしょう。

よく看板とかで「盗むな!」「泥棒は犯罪です」とかの看板が人目に付かない場所に貼ってあるのがありますけど、正直あんなものにほとんど効果は無いと僕は考えています。むしろそういう看板こそが「あ、ここって盗みやすい場所なんだ」「他にもやっている人がいるんだ」という心理が働いて被害を助長しているのではないかなとすら思ってしまいます。

犯罪をするような人は、別に悪人だからそうしているのではなく、「流されるまま何となく生きてきた結果そうせざるを得なくなるまで追い詰められていた」人が大多数なのではないかと僕は考えていますので、そうした人を生まないような社会づくりがまず第一だと思いますし、それでも犯罪を防ぎたいのならば「犯罪をした方が割に合わない」と言う状況を作り出す以外には無いんじゃないでしょうか。

そんな訳で、僕もこのまま無職で何となく生きていたら金属泥棒に身をやつしてしまいそうな気がしているので、皆さん僕が金属泥棒にならないよう対策をどうかよろしくお願いします。

以上で今回の記事は終わりです。

また次回の記事でお会いしましょう。ここまでお読みいただきありがとうございました。