どうも、たかしです。
突然ですがみなさん、小屋を建てる際に最も重要なことは何だと思いますか?
小屋根ちゃん
土地を確保すること?
たかし
ふふふっ……甘いね小屋根ちゃん。
模型を作ること? 素敵な外観を考えること? 家族の了解を得ること?
いいえ、違います。
重要なのは基礎です!
建物の土台を支える基礎をどのようなものにするか、それをきちんと整備することができるのか、小屋づくりに置いて最も重要なのは基礎について考えることなのです!
小屋根ちゃん
土地が無かったら基礎も何もないだろ。
土地の件はどうなったの?
たかし
うるさいよ小屋根ちゃん。
という訳で、今回の記事では小屋の基礎をどのように作っていくかということについて考えていきたいと思います。
そもそも小屋の基礎にはどのようなものがあるのか? 小屋づくりに適した基礎は何なのか?
やっていきましょう。
①小屋の基礎の種類
基礎とは、建築物の土台となる部分のことを言います。
建築物は、基礎によって土地に定着しています。また基礎があることによって耐震構造や耐風力が上がったり、地面からの熱気・湿気が上がってくることを防いだり、虫やその他生き物の侵入を防ぐ効果があったりと様々な恩恵があり、建物によって欠かせない存在と言えます。
基礎は、その成り立ちや地面との定着のさせ方によって大きく3種類+1種類に分けることができます。
1.独立基礎
独立基礎は、建物の基礎組の中でも最もシンプルな形式になります。
建物に対して接続されている基礎石が連結されておらず、一つ一つ独立していることから「独立基礎」と呼びます。
DIYでも整備することが簡単で、多くの小屋組みで採用されている基礎方式となります。
独立基礎のデメリットとしては、基礎一つ一つが独立しているため、きちんと全ての水平・高さを合わせないと、建物が傾いてしまったり、基礎が浮いてしまって建物を支える役目を成さなくなってしまったりと言った点が挙げられます。
また、建築確認を申請する際には、最低でも次から述べる「布基礎」以上の強度を持つ基礎で建てなくてはならないと決められており、独立基礎は建築確認が必要な建物の建築には使用することができないという制限もあります。
2.布基礎
布基礎は、独立基礎と違い基礎石が全てコンクリートで固められてつながっているのが特徴です。また地面に穴をあけてそこにコンクリートを流し込んで作るため、地面との接合という点でもしっかりとした強度を保つことができます。
建築確認を通して建物を建てる場合には最低でもこの布基礎以上の形式基礎を作る必要があります。とはいえ、地面に穴をあけ、コンパネを敷き詰めてそこに生コンを投入して基礎石を作り上げる作業は一般人でもできないことはないため、建築確認を通しつつできるだけDIYで建物を建てるという場合に、布基礎は良く採用される形式です。
ただし、生コンクリートを用意するためには業者に発注し、生コン車で現地まで運んでもらう必要があります。なので、生コン車が入って来れる通路が近くに無いと、運び込むのには苦労することになります。
3.ベタ基礎
現代の家屋建築において、ほとんどの場合に採用されるのがこちらのベタ基礎になります。
ベタ基礎は、布基礎に加えて家屋下の地面に当たる部分まで全てが一体となっているのが特徴です。地面まで全てが基礎部分に当たるということになるので、当然起訴自体の強度が高く、また地面がコンクリートで覆われているために湿気や熱気が抑えられ、雑草が生えてくることも無いためメンテナンスの面でも優秀です。
ですが、当然のことながらその建築難易度は高く、一般人がDIYで整備するのは流石に無理があります。なので小屋をDIYしたいという場合も、基礎だけは専門業者に依頼して整備してもらうというケースもあるみたいです。
(4).掘っ立て
こちらは番外編。「掘っ立て小屋」の名称にも付いていることで有名な「掘っ立て式」の基礎の紹介になります。
「掘っ立て」という字面の通り、「掘って」「たてる」……つまり、地面を掘ってそこに直接柱を立てて建てる建築方式を「掘っ立て」と呼びます。
参考画像に歴史の教科書にもよく出る「高床式倉庫」が出ていますが、これが最も分かりやすい「掘っ立て」形式だと思います。そのことからも分かる通り、古代から使われてきた建築方式であり、現在でも簡易的な倉庫を建てる際に用いられることがあります。
ただし、地面に直接柱を立てている関係上柱が腐りやすく、また強度もお世辞にも高いとは言えません。そのため、現代住居ではまず使われることの無い掘っ立て方式ですが、DIYで小屋を建てる人の中で、基礎を整備しづらい斜面に小屋を建てる場合などには採用しているケースもあるようです。
小屋根ちゃん
色々な基礎の形があるんだね!
たかし
さあ、この中で小屋暮らしに
最も向いている基礎が何か分かるかな?
②小屋組みに向いている基礎……独立基礎
自分で小屋を作る際に最も採用したい基礎……それはズバリ「独立基礎」になります!
3つの観点から、小屋づくりに独立基礎が向いている理由を説明していきます。
1.難易度
まず、独立基礎は3つの基礎方式の中で圧倒的に難易度が低いのが、小屋づくりに向いている理由の一つです。
独立基礎の束石には、2×4材がイイ感じにはまる2×4束石や、床の枠板を固定できる羽子板が付いている沓石(くついし)、コンクリートブロックなどが使われますが、そのどれもがホームセンターで購入できるため材料をそろえるのも簡単です。
水平の取り方や、束石を等分に配置する作業など一人では大変な部分も多いですが、3畳小屋程度の規模でしたら工夫次第で何とでもなります。
布基礎もDIYでできないことはないようですが、生コン車が敷地近くまで入って来れなくてはならない都合上、山奥の物件を選ぶことが多い小屋暮らしではやはり厳しいかと思われます。
2.金銭面
金銭面で考えた時も、できるだけ安く抑えたい小屋暮らしではやはり独立基礎が優秀です。
独立基礎をDIYで建てるためには、先ほども説明した束石と、地面を固めるタンパー、そして水平を図ったり基準点を設けるための杭や水平器が必要となります。
これらにかかってくる費用の概算をとると……
- 束石……1個1000円弱×6≒6000円
- タンパー……5000円ほど(もっと安く自作も可能?)
- 杭……500円ほど×4≒2000円
- 水平器……2000円ほど
ということで、合計大体2万円以内で作成することが可能です。
では、他の基礎がどうなのかというと……
●布基礎の概算(参考記事: 年上彼女と畑する「二間×四間の倉庫の布基礎、材料費はいくらかかった?」)
上記記事によると、8畳の小屋の布基礎で資材費は20万円近くかかっているようです。生コン自体はそこまで高くはないのですが、その他の鉄筋やコンパネでも結構費用が嵩むみたいですね。
3畳小屋なら単純にその8分の3……とはならないでしょうが、参考価格までに考えるなら7~8万以上はかかりそうな気がします。
●ベタ基礎の概算(参考記事: SUUMO「ベタ基礎・布基礎って何? どっちがいいの? 家の基礎(土台)の事情」)
上記記事によると、ベタ基礎の費用は1㎡辺り1万円~1万4000円ほどということ。となると3畳小屋は約4.5㎡ですから、単純に安くて見積もっても4万5000円の費用が掛かることになります。
ただ、これはあくまで一般的な条件下での見積もりなので、小屋暮らしの土地のような不便な場所での作業となれば、特に業者に依頼する場合は価格が高騰することが予想されます。
このように、計算方法により若干のぶれはあるでしょうが、独立基礎の方が費用面で他の二つの基礎方式よりも安く建てられることは間違いないです。
3.土地事情
これまでの記事でもさんざん言ってきたことですが、小屋暮らしをするのに適した土地は「小規模の建物なら建築確認申請の必要がない都市計画区域外」の土地です。
そして、建築確認申請を出さずに自分で小屋を建てるということは、独立基礎最大のネックである「確認申請の必要な建物には使えない」という制限が関係なくなるということで、これを活用しない手はないように思います。
また、区域外の物件となれば、業者を呼ぶことはおろか生コン車すら入ってこれないような場所に小屋を建てるということもあるでしょう。そうした場合には、消去法的に独立基礎を選ぶしかなくなるといった点も、独立基礎こそが小屋暮らしの小屋の基礎に適していると言える理由になります。
③まとめ
ここまで、各基礎の説明と小屋暮らしの小屋づくりに合った基礎について解説してきました。
独立基礎は、地面との接合が他の2つの基礎形式と比べると弱く、その点が心配な部分ではありますが、色々な記事を調べてみた感じではそこまでそのことが問題になるような記載は見受けられませんでした。
独立基礎であっても、各束石の地面との接地面にモルタルを敷いたり、床面には雑草・熱気・湿気対策に砂利を敷いたりすれば、他の基礎ほどではないにしても安定性や快適性を追求することも可能なのではないかと思います。
独立基礎のことをしっかり勉強して、基礎のしっかりした小屋を建てて小屋暮らしをしたいですね。
以上で今回の記事は終わりです。
また次回の記事でお会いしましょう。ここまでお読みいただき、ありがとうございました。