どうも、たかしです。

皆さん、不動産サイト巡りはしていますか? 

最近台風がやってきたり、日中の気温が高すぎたりで家から出られない日が続いています。

そんな時はアットホームなんかの新着土地物件を覗きながら

「こんな物件売れるかよ!!」「この条件でこの坪単価!? アホなのか!?」「10万でも買うかよこんな土地!!」

てな感じで一人怒り狂うのが僕の日課なのですが……

小屋暮らしを目指す皆さんなら、不動産サイトの物件を「価格の低い順」に並べ直してから調べるのは一度はやったことがおありだと思います。

そんな時に必ず見かけるのは「その他用地」という怪しい区分と、あと「畑・農地用地」ですよね。

「その他用地」なんてのは、もはやどんな用途に使えばいいのかも分からないどうしようもない物件という意味で、「資材置き場用地」とすら呼べない底辺中の底辺土地だということは自明でしょう。ですので、こちらは一旦置いておくとして……。

「畑・農地用地」はどうでしょう。なんだか「その他用地」だとか「資材置き場用地」などよりはよっぽど利用価値の高そうな土地に思えはしませんでしょうか?

しかし、価格が低いからには何かしらの利用価値を下げている理由があるはずです。

今回の記事では、安い物件を探す際には必ず一度は目にする「畑・農地用地」にはどのような事情があるのか、そしてそのような土地を小屋暮らしに活かすにはどうしたらよいのか、考えたり調べたりしたことを書いていきます。

それでは、やっていきましょう。

①農地について

こちらは過去の記事で投稿させていただいた農地についての漫画です。

漫画でも取り上げている通り、農地とは農地法によりその取扱いが厳格に保護・制限管理されている土地のことを指します。

具体的にどのように法律で定められているかというと……

農地法2条

農地について、農地の所有者・権利者は農業上の利益を確保しなくてはならない。(農地を農業以外の目的で使うことの制限)

農地法3条

農地について、所有権・使用権を移転しようとする際には、自治体指定の農業委員会の許可を得なくてはならない。(農地の売買、賃貸借を制限)

農地法4条

農地を、農地の所有者が農地以外のものに転用する場合に、都道府県知事の許可を得なくてはならない。(農地転用の制限)

農地法5条

農地を、農地として使用する以外の目的に転用する意図をもっての売買、賃貸借の契約を結ぼうとする際には、都道府県知事の許可を得なくてはならない。(農地転用目的の売買、賃貸借を制限)

このようになっております。

いかがでしょうか、これだけでも農地を小屋暮らしの土地として活用するのがどれぐらい面倒くさいかが伝わるかと思います。

特に一個人が農地を活用しようとした場合に障害となるのが、農地法3条における売買のための農業委員会の許可申請と、農地法4条における農地転用のための都道府県知事への許可申請でしょう。

このそれぞれについて解説していきますが、先に申し上げておきます。

農地法3条の売買における許可申請は何とかなります。というか、近年緩和の方向にあるようです

ですが、農地法4条の農地転用の許可申請については、小屋暮らし目的においてはどうにもならないでしょう。転用をすることができなければ、そもそも転用できても活用するのは無理だと思われます。

②農地法3条について

農地法3条において、かつて一個人が農地を手に入れる際に最も大きなハードルとなるのが、「下限面積要件」でした。

これは、農地権利取得後にある程度の耕作面積を確保できない者は農地を取得することができないという、言わば「足切り」のような条件のことで、それが令和5年4月までは「北海道2ha以上、都府県50a以上」というように定められていました。

つまり、これまで農地を保有したことなく、新たに農地を取得する際には、最低でも50a以上(北海道では5ha以上)の面積の農地を一気に取得しなくてはならないということです。

1aとは10メートル四方の正方形分の面積(=100㎡)であり、50aとはすなわち5000㎡です。これがどのくらいとんでもない広さかというと……

注文住宅の平均土地面積……130㎡ほど

サッカーコート……7140㎡

東京ドームの面積……47000㎡

つまりサッカーコートより少し狭いぐらいの、東京ドームの約10分の1以上の面積を併せてでないと、一般人は新たに農地を取得することはできないということになるのです。

これは明らかに、家庭菜園程度に植物を育てようとするには過剰な面積です。そのため、小さな農地がついている空き家を購入する時などでも、下限面積に達していないから購入できないということがあったようです。

それが、近年自治体の実情に合わせて下限面積が変更できるようになっていって、そしてついに令和5年の4月1日の農地法の一部改正によって下限面積要件が撤廃されたのです。

そのため、現在はどのような広さの農地であっても、農業委員会の許可さえもらえれば購入できるということになっています。

ですが、一個人が許可申請を出そうと思うと大変なことには変わりありません。農地を手に入れようとするときには、その自治体の農業委員会にある程度繋がりがある不動産業者や法律に詳しい人の助けが必要になるのだとは思います。

③農地法4条:農地転用について

農地には、基本的に「農地転用可な土地」と「転用不可の土地」があります。そして、その農地転用の許可基準こそが、小屋暮らしにおいて農地転用がほとんど役を成さない理由になります。

農地転用が可能な農地は、主に以下の2種です。

  • 第2種農地……鉄道の駅が500m以内にある等、市街地化が見込まれる農地又は生産性の低い小集団の農地。ただし、後に説明する第3種土地や農地以外の土地で建築可能な土地があればそちらが優先される。
  • 第3種農地……鉄道の駅が300m以内にある等、市街地の区域又は市街地化の傾向が著しい区域にある農地。

(農地・遊休地活用AGRIMEDIA:農地転用とは – 関連法・手続きまとめより一部引用)

つまり、市街地付近、もしくは今後市街化が見込まれる場所にある農地だけが農地転用の対象となりうるということです。

不動産サイトで安値で出されている物件No.1候補である「市街化調整区域にある農地」はこれらには当たらりません。どちらかというと甲種農地という、基本的に農地転用の許可が下りない区分にあたってしまうのです。

  • 甲種農地……市街化調整区域内の土地改良事業等の対象となった農地(8年以内)等、特に良好な営農条件を備えている農地。この区分の農地について、一定の例外(土地収用法の認定を受け、告示を行った事業等のために転用する場合)を除き原則として転用は許可されません。

(農地・遊休地活用AGRIMEDIA:農地転用とは – 関連法・手続きまとめより一部引用)

さて、ではこれらの障害を乗り越えて市街地にある農地の転用に成功し、いざ小屋を建てる段になったとしても、市街化区域に小屋を建てるには「建築確認申請」を提出する必要があります。

そして、「建築確認申請」を受け付けてもらうためには、土地の造成工事を行う必要があったり、擁壁を建てる必要があったり……とにかく様々な障害があり、それらをすべて達成するためには莫大な費用が掛かります。

僕は実際に建築確認申請を提出するまでのハードルの高さを体験し、既に心が折れていることは、過去に投稿した漫画でもお伝えした通りです。

確認申請に心が折れた漫画①
確認申請に心が折れた漫画②

そのため、もし小屋暮らしのために農地転用するとなれば、区域外の農地が最もふさわしいということになるのですが、そもそも区域外であれば農地でなくとも安くて広い土地がたくさんあります。

だからこそ、農地転用をすることが小屋暮らしに置いて役を成すことは無いと僕は断言することができてしまう訳なのです。

④まとめ

今回は、農地を小屋暮らしに活用することの難しさについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。

結局のところ、小屋暮らしに置いて農地が輝く瞬間というのは、「目星をつけた区域外の土地にたまたま小規模の農地もくっついていた」といったような場合に限られるのだと思います。その点で言えば、近年の農地法改正における下限面積要件の撤廃は、小屋暮らしで家庭菜園を楽しみたいと考える人にとって嬉しいニュースと言えるでしょう。

不動産サイトで物件を見る時には、どうか目先の安さに騙されず

「畑・農地用地」 「市街化調整区域」

これらの文言を見落とすことの無いよう気を付けたいところです。

こんなところで、今回の記事は終わりです。

また次回の記事でお会いしましょう。ここまでお読みいただき、ありがとうございました。