どうも、たかしです。

私はこれまで、野草も含めると以下の11種類の生き物を野食でいただいてきたわけですが……。

野草

クズ・ヨモギ・タンポポ・クワの実・ワラビ・ノビル

最初の野食「クズとヨモギの味噌汁」

生き物

セミ・バッタ・コオロギ・タニシ・ジャンボタニシ

「ジャンボタニシの味噌煮込みうどん」

実は、食べよう食べようと思いつつも捕まえることができずに未だにいただくことができずにいる生き物がいます。

それが「ウシガエル」です。

「ウシガエル」は、別名「食用ガエル」とも呼ばれるぐらい、食材に適したカエルです。大型で、脚部の肉は鶏肉と似たような味わいがするらしいです。

さて、実はそんな「ウシガエル」と、これまで僕がいただいてきた生き物たちとは、とある大きな違いが存在します。それが一体何かというと……

ウシガエルは「特定外来生物」という、法律でその取扱いが制限されている枠組みに属しているという点です。

この「特定外来生物」の取り扱いを間違ってしまうと、場合によっては罰金、懲役が科されてしまう可能性があるのです。

今回はそのように注意が必要な「特定外来生物」について、一体どのようなものなのか、どんな生き物が属しているのか、どのように取り扱えばいいのかなどについて解説していきます。

それでは、やっていきましょう。

①特定外来生物とは?

「特定外来生物」とは、「外来生物法」によって指定される「問題を引き起こす海外起源の外来生物」になります。

「問題」とは

  • その食性・習性・気性によって、周囲の生物に害をもたらし生物多様性を損なわせる
  • 気性の荒さや毒・病気などにより人の生命・身体に害をもたらす
  • 食害によって農林水産業へ深刻な影響がある

などがあります。

つまり「もともと海外の生き物であり」「その習性によって他の生物もしくは人に害を与える」ものが「特定外来生物」に指定されるという流れになっています。

そのため、「セイヨウミツバチ」やクローバーで有名な「シロツメグサ」のように外来生物でも問題のない生き物は指定されることはありませんし、逆に「オオスズメバチ」や「マダニ」のような危険な生き物でも、もともと日本にいた在来の生き物の場合なら指定されることはありません。

あくまで「外来」かつ「問題のある」生き物だけが指定されるといったところがポイントです。

②「特定外来生物」に指定されている生き物は?

実際に環境省の自然環境局HPにて公開されている特定外来生物の一覧表なのですが、まあ、多すぎて読む気にはなりませんよね。この全てを覚えるというのは全く現実的ではないと思います。

特定外来生物には、R5年現在植物も含めて157種の生き物が指定されています。特に多いのが「魚類」の26種で、次いで「昆虫類」「哺乳類」の25種となっています。「爬虫類」も22種とそれなりに多く、やはりペット飼育で人気の高い種が海外から輸入され、逃げ出した、もしくは捨てられたものが繁殖・定着してしまったというパターンが多いのかなといった印象です。

いくつかピックアップすると、「ヌートリア」「カミツキガメ」「ヒアリ」「ブルーギル」辺りなんかは有名どころではないかと思います。

「カミツキガメ」なんかはよく捕獲される様子がテレビで報じられますし、「ヒアリ」は一時期強烈な毒性を持つということで注意喚起がされましたよね。

そのように大々的に報じられている生き物であれば「何か危険な生き物なんだな」ぐらいの印象には残るとは思いますが、そうでない全く聞いたことも無いような生き物が指定されていることもあるのが「特定外来生物」の油断ならないところです。実は全く気付かないうちに特定外来生物と関わってしまい、刑罰対象になってしまった……何て言うこともありうるわけです。

「知らなかった」では済まされないのに、未だに周知が広まっていないように思えるこの「特定外来生物」。それではどのように取り扱えばいいのでしょうか?

次の項で説明していきます。

③「特定外来生物」の取り扱いについて

特定外来生物の取り扱いは、「これ以上繁殖させない、生息地を広げさせない」という目的に沿って取り決められています。この目的を意識していれば、特定外来生物への禁止行為をうっかり犯してしまうということも無くなると思います。

では具体的にどういった行為が禁止されているかを解説していきます。

1.飼育・栽培の禁止

「特定外来生物」をペットとして飼育したり、家庭で栽培したりする行為は禁止されています。

例外として、研究目的などで特別に許可をもらっている場合は飼育ができますが、その場合は生き物が脱出できないような厳重な管理の施設で飼育することが求められますし、万が一逃がしてしまった場合は重い刑罰が科されます(法人の場合1億円以下の罰金

またその他の例外として、「特定外来生物に最近指定された生き物を」「指定される以前から飼育していた場合に」「その個体に限って」飼育しても良いとされています。

更に他の例外として、最近「条件付特定外来生物」に指定された「アカミミガメ(通称ミドリガメ)」「アメリカザリガニ」に関しては、新規であっても一般家庭での飼育が認められています。また、野生種を捕獲することや、無償で他者に譲渡することも認められています。これは、上記2種があまりにも一般的なペットとして飼育されている数が多いことから、通常の「特定外来生物」に指定してしまうことによって大量に野外に放出されてしまうことを懸念しての処置のようです。

ただし、「条件付特定外来生物」に関しても、販売することや野外へ放つことは禁止されています。

2.生きたままの運搬・移動の禁止

「特定外来生物」を捕獲した際に、生きたまま持ち帰ったり別の場所へ移動させたりすることは禁止されています。

これは、特定外来生物の生息域をこれ以上人の手によって拡散させてしまうことのないように取り決められています。

野食をする際に気を付けたいのは特にこの点で、特定外来生物を捕獲して食べようとする際には「現地で締めてから持ち帰る」ことが必要になるということです。

近年YouTuberが特定外来生物を捕獲し、駆除の目的もかねて調理して食べる動画が多く投稿されていますが、そのどれもがきちんとその場で締めてから持ち帰っています。

例えばウシガエルであれば、その場で首筋の頸椎を切断して締めたり、冷凍して締めたり、炭酸水に浸けて締めたりと様々な方法がありますが、確実に息の根を止めて持ち帰る必要があります。

もし特定外来生物を締めずに持ち帰ってしまって、あまつさえその様子をYouTubeに投稿でもしようものなら、個人の場合最高で3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金に科される可能性がありますので本当に気を付けたいところです。

3.輸入・販売・譲渡の禁止

「特定外来生物」は、海外からの輸入や、販売もしくは譲渡などが禁止されています。

こちらはあまり個人には関係ないことかもしれませんが、知っておいて損は無いと思います。

先に挙げた「アカミミガメ」「アメリカザリガニ」のような「条件付特定外来生物」でさえ、販売は禁じられています。つい最近までこれらの種を繁殖させて販売していた業種の方もいらっしゃるようですが、それはショックだったことでしょうね……。

もし特定外来生物を販売している人や、譲っている人がいたらそれは禁止事項に明らかに違反しているので、関わって巻き込まれることのないように注意したいところです。

④まとめ

概略的にここまで「特定外来生物」について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?

今回この記事を書くことになったのは、元職場の同僚に「最近アメリカザリガニやアカミミガメの取り扱いに一部制限がかかるようになった」という話をした時に「それは知らなかった」「そんな法律があるのか」と驚かれたことがきっかけだったりします。

そんなに周知が進んでいるとは言い難いのに、「知らなかったでは済まされない」のが外来生物法をはじめとした生き物関連の各法律の恐ろしさです。

今回のこの記事が、これから生き物を飼おうとか食べようとかしようとしている方々の一助になれば幸いと思います。

今回の記事はこれで終わりです。

また次回の記事でお会いしましょう。ここまでお読みいただき、ありがとうございました。