どうも、たかしです。
小屋暮らし予定の土地に付随してきた空き家の整備を進めていくシリーズ、今回はその第100回になります。
100回ですよ100回。最初は50回ぐらいで終わると思っていたのに、自分でもびっくりです。
前回の記事でとうとうキッチンの補修も完了し、今回の100回で空き家の大掃除を終えてこれにて空き家の整備は終わり……といきたかったのですが、ここに来て非常事態が発生してしまいました。
それはつい先日のこと、いつも通り空き家の片づけをしていたら、僕しかいないはずの空き家の中から明らかに何かしらの生命体が動き回るような音が響き渡ったのです。
これは……まさか……
物音は空き家の謎倉庫の辺りからしていたため、ビクビクしつつもカメラ片手に玄関から謎倉庫の方に移動して中を覗いてみると……撮れてしまったんです。

うわああああ! こっち見てるぅぅぅぅッッ!!
ちなみに動画もあります。心してどうぞ↓
いや、実はこの直前に謎倉庫のドア前にいわゆる「溜め糞」がしてあるのを見つけていて、「家の中かもしくは周囲を獣が住処にしていてそうだな」というのは感じていたんですよね。

まさかまさかとは思いつつこれまで獣対策的なことは一回もやってはこなかったのですが、今回いよいよ出会ってしまいましたので、これはもう流石に何かしらの対処を施さないわけにもいきません。
という訳で、今回の記事では空き家から獣を追い出すため忌避剤を使用しましたので、その様子をお伝えしていきます。
また今後獣対策をどうするのか、獣対策を施すうえで注意すべきことなども調べたり考えたりしましたので、そちらについてもお伝えしていきます。
それではやっていきましょう。
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①捕獲・駆除をしない理由~鳥獣保護法・外来生物法の観点から~
まずこの獣を何とかしようとした時に、檻のような罠を仕掛けて捕獲するという方法が思い浮かんだのですが、色々と調べた結果それは難しそうだという結論に至りました。
その理由には以下の3点があげられます。
- 現段階で、獣が何の種類なのか同定が難しい
- 獣の種類によって法的な取り扱いがことなり、捕獲に際する申請やその後の取り扱いが違い、複雑
- 今いる獣を捕まえた所で、根本的な解決にはならない
まず空き家に侵入していた獣が何なのかですが、今のところ候補は3つあり、恐らくは「アナグマ」「タヌキ」「アライグマ」のどれかではないかと踏んでいます。



顔の模様的に、一番近いのはアナグマのようにも見えるのですが……


ただ、顔の模様なんかは個体差も結構あるっぽいので、それだけで同定するのは難しいような気がします。
また、謎倉庫の扉前にされていた糞からも同定を試みたのですが、この候補3種ともに自分のナワバリ付近での「溜め糞」をする性質があり、糞の形状は食べている物に大きく影響されるようで、やはりこれだけでの同定は難しそうだという結果になりました。
種の同定ができないと何が厄介かというと、「アナグマ・タヌキ」と「アライグマ」では法律的な取り扱いに明確な違いが存在するということです。
まず「アナグマ・タヌキ」は鳥獣保護法における「狩猟鳥獣」に分類されていて、その狩猟に関しては狩猟免許が必要となり、更には狩猟可能な期間や、使用可能な狩猟具に関しても細かい法規制が敷かれています。
そのため、一般人が罠を仕掛けて捕獲・駆除することは難しく、基本的には業者に依頼することとなります。
対して「アライグマ」は外来生物法における「特定外来生物」に指定されており、駆除対象となっている動物です。
ただし複雑なのは、アライグマは「狩猟鳥獣」にも分類されているため、基本的には捕獲・駆除するためには役所への手続きやその他様々な規制があり、何の届け出も無しに捕獲・駆除するのは問題があります。
つまり、どのみちどの種であったとしても捕獲するためには役所への申請が基本的に必要ということになるのですが、申請する際には捕獲する生き物が何の種であるか申告する必要があり、例えば「アナグマ」だと思って申請して「タヌキ」だった場合には速やかに逃がす必要が出てきてしまうのです。
「アナグマ」だと思って「アライグマ」だったらどうなるのかはちょっとわかりませんが……でも特定外来生物を放つわけにもいかないし……とにかくめちゃくちゃ面倒くさそうだということはお分かりいただけると思います。
そのため、最低限のラインとして種の同定ができないと、捕獲・駆除をするのは難しいということになるのです。
そして最も「捕獲・駆除」を選択肢から外すことになる理由になるのが、そもそも根本的な解決にならないということです。
一旦今住み着いている獣を捕獲したところで、こんな山奥の土地にある空き家ではどのみち何かしらの対処を施さないとまた侵入されてしまうだけですからね。
そのため、今回僕は獣対策として「忌避剤を使って家から追い出し、再侵入されないよう対策を講じる」という方法を取ることにしました。
②忌避剤散布の様子
空き家から獣を追い出すために今回使用したのが、こちらのフタワ株式会社様の「忌避一番プロ」です。

こちらは素材に天然素材を使用している忌避剤で、粒状になっており、散布することで獣が嫌がる臭いを出して近づけなくさせる効果があります。
今回はこれを空き家の周辺に散布し、まずは空き家内に潜んでいるであろう獣を追い出して行きたいと思います。
1.溜め糞の処理&忌避剤の散布

まずは獣の溜め糞を撤去し、その部分に集中的に忌避剤を撒いておくことにしました。

これは別に詳しく調べたわけではないのですが、恐らく溜め糞にはいわゆる「マーキング」的な意味合いも大いにあると考えられますので、そこを忌避剤の強烈な臭いで上書きしてやることで「ここはヤバいかも」と本能的に思わせる作戦です。
ちなみに忌避剤の臭いがどんなものかというと、平たく言ってしまえば「焚火跡の臭い」ですね。説明欄にも「人工的に山火事の初期の臭いを発生させるため、本能的に危険な場所と認識させます」とありました。
クサい、という感じは個人的に正直そこまでしませんが、かなりこびり付くような臭いだとは感じました。タバコとか焼肉とか、やっぱり物を焼いた時の臭いってかなり染みついてなかなか落ちないように、この「忌避一番プロ」の臭いもちょっと巻いただけでかなり辺りに染みついたように香ってくる感じがあります。
なんか「あれ? どこかで焚火でもしてる?」って思えるような臭いが広がるんですよね。これは効果が期待できそうです。
2.家の周囲を囲むように散布する

続いて、家の周囲をぐるりと囲むように忌避剤を散布していきました。
散布量の目安として、「1㎡辺りに大さじ1杯~2杯ほどを散布」とありましたので、家の周りを歩きながら大体1mごとに2~3掴み分ぐらいの忌避剤を撒いていきました。
「忌避剤を撒く際には必ず手袋をしてください」との注意事項がありましたので、今回軍手をして忌避剤を撒いて行ったのですが、それでも臭いが軍手を貫通して手のひらに染みついてしまって、丸々1日程は取れませんでした。
臭いを気にされる方は、もっと厚手の手袋をつけて、服も体全体を覆うように臭いが移ってしまっても平気なものを着て散布された方がいいかもしれません。
③今後の対策の計画
さて、今回忌避剤を撒いて獣を追い出したとしても、あくまでそれは一時的な対処にしかなりません。
なぜならば忌避剤の効果は役に2ヶ月と記載があり、臭いで獣を遠ざけさせるという性質上どんどん効果は弱まっていくことが予想されるためです。
なので、忌避剤を撒いて空き家の中から獣の気配が無くなったら、また別に獣が侵入しないようにするための対策を練る必要があります。
とりあえず今のところ思いつく対策としては、とにかく床下に侵入できてしまうような隙間を塞いでいくことですかね。

今回獣が顔を覗かせていたこちらもそうですし……

そもそもこの家、基礎に岩が使われている関係上床下に潜っていけそうな隙間がいたるところにあるんですよね。
なので、とにかくこの床下に潜っていけてしまう基礎の隙間を、何かしらの方法で塞いでいくことが求められます。
塞ぐために使えそうなのは外壁の補修時にも使用したガルバリウムの波板あたりですけど、全てをそれで賄おうとするとちょっと費用が掛かり過ぎますね。
なので何かもっとお金がかからない方法が無いか考えてみたんですけれども……

ここはやっぱり岩ですかね?
④次回「侵入対策編」へと続く
今回は獣との遭遇からどのように対処するのがいいかを考え、実際に忌避剤を撒く様子までお伝えしました。

今回購入した「忌避一番プロ」ですが、空き家の周囲一帯にまんべんなく巻いた後でもまだ3分の1ぐらいは残っていたので、広めの一軒家や畑に使用したとしても一袋で十分周りを取り囲めるぐらいは使えるんじゃないかと思います。
まだ撒いたばかりですし、もし獣がこれで逃げ出したとしても本当に忌避剤が効いたからなのかどうかは分からないので効果のほどは未知数ですが、獣被害に悩んでいてかつ「捕獲・駆除」までは踏み切れないという方は試してみてはいかがでしょうか?
次回「獣の侵入対策編」へと続きます。
ここまでお読みいただきありがとうございました。また次回の記事でお会いしましょう。